四月の扉

4月です。

朝一番、家中のカレンダーをめくる。

なんだか新しい扉を開いていくような、

そんな特別に新鮮な気持ちになった。

春が来るんだね。

遠くの山々もいつのまにか薄墨色に変わっている。

そうか、あんなに積っていた雪が解けてきたんだ。

ジャンプ台に白く残る雪だけが冬の名残。

目の前の桜並木には固く小さな小さなつぼみも見える。

ああ、ようやく、ようやく、北国にも春が来る。

4月の扉を開けて春が来る。

ちょっとほこりっぽい春の匂いをかぐと

新学期の朝を思い出す。

それも自分のではなくて、小学校に入った姉の新学期。

いつも一緒にいてくれたお姉ちゃんが、

ある朝、アタシを置いて、ランドセルを背負って、ガッコウに行っちゃった。

玄関のガラス越しに半泣きで姉の後ろ姿を見送った朝。

そうなのさ、下の子はいつも置いてけぼり、なのさ(笑)。

そんな「兄弟姉妹のあるある」。

今朝のめざましテレビの調査が実に興味深かった。

上の子、下の子、双方にもっともな言い分が続出。

「お姉ちゃんだから我慢しなさいっていつも言われた」と姉が言えば

「下はお下がりばっかり、お姉ちゃんはいつも新品」と妹が反撃(笑)。

わかるわかる、そうだそうだ、どっちの主張も当たってる。

どこの兄弟姉妹も似たようなものなのね~。

「何かと上が怒られる」「お年玉の額に差がある」などなど

「兄弟姉妹あるある」ランキングにいちいち納得してましたが、

激しく共感したのが「下の子は写真が少ない」。

その通り!以前にも当ブログでぶーたれましたが(笑)、

姉の写真が分厚いアルバムいっぱいなのに対して、

妹の私は家族アルバムの途中にいきなり「範子ちゃんコーナー」が登場、

たった4枚だけの生誕写真でお茶を濁されているのだ(笑)。

そうだ、下の子の写真は圧倒的に少ない。プンプン。

「やっぱ、妹は損よね」な~んて、

今朝もまたもやしつこく思い返していたけれど、

ふと、思った。

誕生、雛祭り、入園、入学、遠足、運動会、部活、受験、卒業、就職・・・

アタシはいつも2番目だったけど、お姉ちゃんはいつも初めてだったんだ。

上の子は誰のお手本もないなかで、いつも人生の新しい扉を開けていたんだ。

ランドセル背負って、たった一人ではじめて登校する朝の心細さを

妹の私は自分の淋しさにかまけて、想像したことがなかったかもしれない。

そうだった。

お姉ちゃんが人生の楽しみを色々開拓してくれたんだ。

ピザやハンバーグという食べ物の存在を仕入れてきたのも、

字幕の映画や洋楽や、コーラにレモンを入れることを教えてくれたのも、

そうだ、お姉ちゃんだった。

親も開いたことのない世の中の新しい扉を次々と開けて、

新しい何かを妹の待つ家にいつももたらしてくれたのだった。

妹は損、なんかじゃない。妹は、とっても得だったんだ。

姉の勇気のおかげで、ね。

春。

四月の扉を開ける勇気をふと思う。

兄弟姉妹って、いいものだ。

お兄ちゃんも弟もお姉ちゃんも妹も

さあ、それぞれの新しい扉を開けよう。

(写真は)

薄墨色の春の山に

くっきりと白く残る一筋の雪。

ジャンプ台のなごり雪は

札幌らしい四月の風景だ。

もうすぐジャンプ台にも春が来る。