春だしまき
あぁ・・・春の海だ。
菜の花色のだしまきに
南国の海の春を思う。
作って食べて季節を予感する。
夜明けが早くなった。
夕暮れが遅くなった。
このところ日一日と陽が長くなってきたのを感じます。
今日も真冬日、外は真っ白な雪景色が広がりますが、
ゆっくりゆっくり確実に季節は歩みを進めています。
春の予感に一番敏感なのは、
寒さと雪にじっと耐え続ける北国の人間だと思う。
ほんのわずか兆しも見逃さない。
だから、週末ごはんの一品にも
春色のだしまきを作ってみました。
菜の花色の卵に加えるのは沖縄の「アーサ」。
柔らかな緑色が若草のように美しい海藻です。
別名「ヒトエグサ」。
同じ仲間の「アオサ」よりも香りがよい「アーサ」の旬は春。
春、2月から4月にかけて、
サンゴ礁の岩場で収穫されます。
沖縄ではこの時期、干潮になるとアーサのグリーンで染まった
美しいサンゴ礁のリーフが見られるといいます。
アーサで若草色に染まった海は沖縄の春の風物詩。
柔らかな日差しを浴びながら海岸でアーサをとるのは
この季節ならでは人々の楽しみのひとつです。
真っ白な雪に閉じ込められた北海道では
生のアーサはなかなか手に入りませんが、
せめて沖縄の春気分を味わいたいと
ストックしておいた乾燥アーサをたっぷり使って
特製春色だしまきを作ることにしました。
だしはもちろん沖縄のかつお節、カチュー。
カビづけされていない裸節だけに旨みが濃いのが特徴。
卵の菜の花色とアーサの若草色の競演。
特製「春だしまき」のお味は・・・?
う~ん・・・春の海の香りがたまりません。
ふわりと旨みの強いだしとアーサの磯の香りが
鼻腔で美味しい協奏曲を奏でます。
五感で南の海の春を感じさせてくれる乙な一品。
「ああ、早く春が来ないかなぁ」なんて朝刊眺めていたら、
小樽沖で「厳寒の群来(くき)」の見出し発見。
昨日1日、小樽港岸壁近くで鰊の大群が産卵のために
沿岸に押し寄せる「群来」現象が見られたそうです。
アーサが沖縄の春の使者なら
鰊は北海道の海に春を告げる春告魚。
北国も 春遠からじ 群来の報
(写真は)
目で春を予感する。
沖縄の海に春を告げるアーサのだしまき。
「春だしまき」。
作って食べて春を引き寄せる。

