お疲れさま

「お疲れさまで~す」。

何の疑問もなく

これまで何百回、何千回、口にしてきたことか。

はて?

それほどにみんな疲れていたのだろうか。

今朝の「折々のことば」。

哲学者鷲田清一さんが選んだ言葉は「お疲れ様です」。

メールの書き出しによくある言葉だが、

「みんなそんなに疲れているの?」と返したくなるとあり、

さらに鋭い突っ込みを入れていました。

多分「とりあえずビール」と同じだろうと。

「本番に向けて力むことなく助走するための符号」、

みたいなものだろうとの指摘。

な~るほど、確かに確かに、ニュアンスはとても似ています。

宴の始まりの「ままっ、とりあえずビールってことで」と

仕事の始まりの「ままっ、お疲れ様です」。

まあ、お互い色々あるけれど、まずはリラックスしていきますか。

二つの言葉は人間関係を軽くほぐしていくための

ストレッチ言葉のようなものかもしれませんね。

放送業界も「お疲れさま」の世界。

新人アナとして入社して一番初めに覚えた業界用語。

いつでもどこでも局内で誰かとすれ違ったら、

何はなくとも「お疲れさまです!」と頭を下げる。

相手が先輩でも部長でも社長でも社外のお客様でも

コピー機の業者さんでもヤクルトのお姉さんでも

廊下で誰かと出会ったら、もう条件反射で「お疲れさまです」。

ところが、時には「お疲れさまです!」と挨拶すると

「オレはまだ全然疲れていない!」と返してくる先輩がいたものです。

確かに朝出勤したばかりの先輩は、まだ疲れていない。

おっしゃる通りだが、心の中でちょっとめんどくさかった(笑)。

めんどくさかったけど、今朝の折々のことばを読みながら、

そんな場面がとても懐かしく、新鮮に思い出されました。

鷲田さんも「せめて用件を伝えた後に書きたい」と言います。

ただ符号のように、条件反射的に、大脳を通さずに

やみくもに便利な言葉を使ってしまうことへの柔らかい警鐘。

放送局のように24時間動いている現場では

出勤時刻もまちまち、すれ違う相手が

仕事始めなのか、仕事終わりなのか、真っ最中なのかわからない。

だから ねぎらいをこめていつでもどこでも「お疲れさま」なのですが、

その便利さにあぐらをかきなさんなよ、ということでしょうか。

「オレは、全然、疲れてない!」と

新人アナにあえて天の邪鬼発言をした先輩は

言葉のプロの卵として、心と頭のフィルターを通さずに

安易に言葉を発していいのかい?

きっと、そんな親心で朝から絡んで(笑)くれたのかもしれませんね。

今思えば、本当にありがたい天の邪鬼先輩であります。

あのときはめんどくさかった苦言が

今となっては宝物。

良薬は口に苦し。

のちに甘くなるんだ、ね。

(写真は)

今年も視察してきました。

バレンタイン名物「サロン・デュ・ショコラ」。

噂のマックス・ブレナーのブースも初登場。

チョコレートチャンクピザに札幌でも長蛇の列。

根性なしは遠目で眺めるのみ(笑)