烏賊こはし

年の瀬の日曜日、

久しぶりに家族が全員集合し、昨夜はプチ忘年会。

食卓には20代の息子に80代の母、

世代を超えて食べて笑って、年忘れです。

本来「忘年」という言葉には

自分の老いや互いの年齢差を忘れるという意味があるそうです。

「忘年の交わり」とか「忘年の友」とか言いますもんね。

老いも若きも世代を超えて、この1年の苦労をねぎらい、

来る年に願いを込めるのが「忘年会」。

世界に自慢したい日本の習慣であります。

我が家の2015年忘年会メニューは

近頃お気に入りの「葉野菜と豚バラ肉の蒸し煮」に

礼文島直送の特大ホッケ開き干し&イカ一夜干し、

「キャベツと鶏肉の五香粉サラダ」に「ジャーマンポテト」、

「パンプキンサラダ」などなど、白菜、キャベツ、かぼちゃを総動員。

野菜室の重量野菜をきれいに使い切りました。

これでスペース確保、年末の買い出しも安心安心。

年の瀬の主婦は頭の中で色々段取りしてんのよぉ、

わかってる~?(って、誰に言ってるんだ?)

「いやぁ~、イカの一夜干しなんて久しぶりだねぇ~」。

全員が同じリアクションで七味マヨなんぞつけながら

次々に熱々プリプリの身に箸を伸ばします。

ガスレンジでホッケやイカを炙るなんてめったにないもんね~。

あまりに久しぶりで熱々の焼き網にアチチ!

親指に軽いヤケドさえしちまった(笑)。

暮れの家中に炉端焼き居酒屋の匂いがたちこめる。

どこからか八代亜紀の演歌が聞えてきそうだ。

♪ 肴は炙ったイカでいい~ ♪

「歯が抜けて 筍堅く 烏賊こはし」。

今朝、ふと開いた「子規句集」でこんな句を見つけました。

明治35年、正岡子規が亡くなる年の春に詠んだ一句です。

病状がいよいよ進んだ身に春を告げる旬の筍は堅く、

うまい烏賊もよく噛み切れず「こはい」ばかり。

食べることが大好きだった子規の無念さが

せつせつと伝わってきます。

焼きたてのイカの一夜干しを

20代の孫と80代の祖母が仲良くつつく昨夜の様子をふと思い、

ともかくもお互い健やかに烏賊を食める幸せを噛みしめました。

誰しもいつか「烏賊こはし」時が来るのかもしれないけど、

ささやかな食卓を家族で囲める「忘年」に感謝。

重ねた年は忘れずに、忍び寄る老いは笑い飛ばす。

「忘年会」、やはり素敵な日本の習慣です。

(写真は)

日本は世界で一番イカをたくさん食べる国。

一夜干し、スルメ、塩辛、いかくん、サキイカ・・・

加工品のヴァリエーションも世界一。

ぷりぷり肉厚の一夜干し&七味マヨ。

キャビアより美味い、かもよ~。