気長な2秒
「Two seconds.」。
今や人気絶頂「天使の歌声」を持つサム・スミスが
日本人記者の電話インタビューへ発した第一声は「2秒待って」。
ちょっと素敵な言い回し。
朝日新聞に連載中のコラム「折々のことば」。
哲学者鷲田清一さんが今朝取り上げたのがこの言葉。
「Two seconds.」。
イギリス英語の慣用句だそうですが、
遠い日本からかかってきた電話に出るなり、サム・スミスはこう言った。
「One momentplease」でも「Just a minite」でもなく「2秒待って」。
鷲田さんはこの短い言葉にこまやかな心遣いを感じると言います。
「待たせたくないけどちょっぴり時間がかかるかも。だったら、ごめんね」。
そんなさりげなく細やかな相手への思いやりを感じるそうです。
確かにね~。「一瞬」でも「1分」でもなく「2秒」待って。
「即座には対応できませんが、なるべく早く努力いたしますから、
本当に申し訳ありませんが、少しだけお待ちいただけますか?」的な?
日本語で丁寧に対応するとやたら長くなりますが、
このイギリス英語は簡潔&便利。使える。
この「2秒待って」、
イギリスではよく使われる言い回しで、
買い物の時など「違うサイズあります?」なんてお願いすると
店員さんから「Give me two seconds」なんて返ってきたりするようです。
ここで「ホント?ホントに2秒で戻ってくるの?」などど
杓子定規に受け取るのは野暮というもの。
商品のあるバックヤードまで2秒で取って返せるわけはない。
そう、鷲田さんが読み解く心がそこに宿っているのです。
「待たせたくないけど、ちょっぴり時間がかかるかも。だったらごめんね」。
イギリスの2秒はせわしない日本人のそれとは、ちょっと違う(笑)。
「2秒待って」は実際には5分かかったりもする。
いつかロンドンでお買い物することなどあったら、
店員さんが奥へ姿を消してなかなか戻ってこなくても
鷹揚なイギリス時間にゆったり身を任せることにいたしましょう。
それが、紳士、淑女のお買い物マナーかもね~。
イライラしない。せっつかない。
アナウンサーという職業柄、
15秒のCMは14.5秒くらいできっちり納めるなどなど、
時によっては秒単位でタイムキープする場面も多く、
1秒、2秒の誤差も体内時計がピピッと感知したりしますが、
時間というものは時と場所と相手によって流れ方が違うもの。
そう、時には相手を慮った「気長な2秒」があってもいい。
そういえば子育てと仕事に忙しかった頃、
幼い子供の要求に「3秒待って!」なんて返していたっけなぁ。
絶対「3秒」以上、待たせるのはわかっていたのに(笑)。
「ごめん、今すぐは無理だってば、ちょっとだけ待ってよ、ねっ?」。
余裕のない母のつっけんどんな短い言葉にも
深い意味があったのだよ、息子よ。
でっかく成長し、実家へ帰省したはいいものの、
暮れの午前中までのうのう惰眠をむさぼる息子よ(笑)。
大掃除もまだ残ってる。
母は2秒も待てないぞぉ~。トホホ。
(写真は)
年の瀬、直近の新メニュー。
「鮮魚の五香粉カルパッチョ」。
鶏肉サラダで美味しかったソースをアレンジ、
新鮮なソイに完熟アボカドのコクをプラスしたお皿に
ちょっぴりエスニックな五香粉ソースをかけて。
砕いたカシューナッツが心地よいアクセントに。
野宮オリジナル前菜、大成功。大晦日にも登場予定。
イギリス的2秒で作れます(笑)。



