光の都
花の都から、光が消えた。
パリで起きた同時多発テロ。
日本時間の昨日早朝飛び込んできたニュースに
足が震え、心が乱れ、悲しくてたまらない。
失われた余りにも多くの命に心から冥福を祈ります。
ノエルを前にした金曜日の夜。
サッカースタジアム、劇場、カフェ、レストランは
初冬の週末の夜を楽しむ人々で賑わっていました。
もし旅行者としてパリを訪れていたら、
自分もそのどこかに出かけていても全然おかしくない。
誰もがパリの魅力を味わえる場所だったのに。
とても対岸のこととは思えません。
時の経過とともに概要が少しずつ明らかになり、
朝刊各紙には事件現場の地図が掲載されていました。
美しく蛇行するセーヌ川、ルーブル美術館にノートルダム寺院、
目印の観光スポットが示されたパリの地図に記された
事件現場を表す物々しい「×」印。
こんな哀しいパリの地図があるだろうか。
エッフェル塔、凱旋門、放射状に広がる街路・・・
広げるだけで旅心がそそられるのがパリの地図だったのに。
「Le Petit Cambodge」。
複数の事件現場の中にカンボジア料理店がありました。
パリは世界各国のレベルの高いお料理が楽しめる街、
昔、家族でパリを訪れたときもレバノン料理のお店に行きました。
多様な民族が暮らすパリならでは食体験は旅の魅力の一つ、
このお店も「パリ・カンボジア料理」と検索すると
トップに登場してくる人気店でした。
モダンな雰囲気がお洒落なカフェ風のお店は
ランチにディナーに地元の人で常に賑わい、
生春巻やエスニックなカレー、麺料理とどれも美味で
お客のほぼ全員がオーダーする看板メニューが「ボブン」、
米麺に豚肉、炒めたまねぎ、ミント、もやし、ソースをからめた一品。
もし、パリ旅行中だったら、「美味しそう」と魅かれて、
自分も気軽に訪れていたかもしれない。
そんな賑やかな人気レストランが銃撃されるなんて。
朝から現場の中継映像から目が離せない。
パリらしいカフェの外壁にいくつものむごい弾痕が残されている。
カメラがゆっくりと横に移動する。
その向こうで人々が語らっていたであろうガラス窓の弾痕には
真っ赤なカーネーションや白いマーガレットが差しこまれていた。
憎しみの連鎖で穿たれた暗い穴にたむけれた花の色の悲しさが
パリの人々の強烈な痛みを物語っていた。
美術館もデパートも喪に服し扉を閉じた。
一年で一番華やかな光の季節を前に
パリの街が静まり返り、震えている。
その昔小学生の息子を連れて家族旅行で訪れたあの街が。
異邦人の私たちをどこのレストランも温かく迎えてくれたあの街が。
光の都にただただお悔やみを・・・。
(写真は)
札幌の街も初冬の雨模様。
灰色の空が重たげに曇り、
大倉山のジャンプ台も見えない。
悲しい日曜日、北の空も泣いている。



