胡麻の旅

「ごまたまご」に妹がいた。

上から読んでもごまたまご、下から読んでもごまたまご、

ネーミングも見た目もキュートな東京土産の定番お菓子。

お兄さんは胡麻ペースト入りのプチ洋風饅頭、

妹ちゃんはとろ~っとやさしいプリンになりました。

羽田空港に揃うお土産菓子のなかでも

ひときわ存在感がある「ごまたまご」シリーズですが、

妹分の「ごまたまごプリン」はそのヴィジュアルが愛らしい。

ふつうの卵よりは二回りは大きい卵型パッケージに入ったプリンが

専用箱の中で倒れることもなくきちんと立っています。

「わぁ~、カワイイ~!」、

お土産に頂き、箱を開けた瞬間、

いささか平均年齢の高い(笑)我が家でも思わず歓声が上がった。

このちょっと嬉しいサプライズ感、お土産菓子には欠かせません。

「あ、スプーンいるよね?」と席を立とうとしたら、

「いやいや、大丈夫、卵の中にスプーンがついてるよ」と夫。

なるほど、プラスチック製の卵パッケージの上部分に

折り畳み式の専用スプーンが入っています。

どこでも開けてすぐ食べられる気遣い、さすが人気のお土産菓子。

卵パッケージの下半分に特製のプリンが。

卵、牛乳、生クリーム、蜂蜜などが配合されたプリンは

とろ~っとなめらか、リッチでやさしい甘さが素敵。

卵の底にある黒ゴマペーストが秘密のアクセント。

カラメルソース代わりにプリンとからめて食べると・・・

ふわりと胡麻のかぐわしい香りがあいまって、

なんともオリエンタルな、ひと味違った味わいが楽しめます。

胡麻って、凄いね~。

独特の香気と風味がお菓子を一気に個性的に仕立てます。

遥か昔から世界中の人々を虜にしてきた小さな小さな胡麻。

その故郷はアフリカのサバンナ地帯と言われ、

紀元前3000年以前にはナイル川流域で栽培されていたとか。

その後、熱帯型と温帯型、二つのルートで世界中に広がりますが、

日本に伝わったきたのが温帯型の胡麻。

故郷のアフリカから陸路を通り、古代オリエントのメソポタミア、

エーゲ、クレタを経て、ギリシャ文明へ。

そしてアレクサンダー大王の東方遠征によって、

シルクロードを通り、中国、朝鮮半島、日本へと伝わりました。

6世紀中頃の仏教伝来とともに精進料理に用いられ、

栄養価が高い胡麻は日本料理やお菓子には

欠かせない存在となっていったのでした。

アフリカ大陸から陸路を通った1万5千キロの胡麻の旅。

旅の途中のエジプトやギリシャ、中国などなど、

どの国にも胡麻を使った料理やお菓子が存在します。

エジプトでは「タヒーナ」という白胡麻ソースが食卓の定番だし、

中国の月餅など胡麻風味のお菓子もたくさん。

「ごまたまごプリン」のひと匙にふと感じたリエンタルな香りは

遥かなる胡麻の旅の追想なのかもしれませんね。

思いがけないお土産をいただき、

小さな胡麻がたどった遥かなる旅にまで思いが広がる。

お菓子の力、胡麻の力、お土産の力ってすごいね~。

ちょっとした手土産から。想像の翼が広がるもの。

日本のお土産文化、万歳(笑)。

(写真は)

ね?開けた瞬間にちょっと盛り上がるでしょ?

卵のフォルムって、不思議と人を笑顔にしてくれる。

幸せって、卵型してるのかも、ね。