青い缶の物語

あ~、懐かしい~、

エッフェル塔がお洒落な青いパッケージ。

昭和の東京土産といえばこのおかきだったな~。

サクサク、カリカリがたまらない「ピーセン」。

しばらく会わないうちに何だかちょっと今っぽくなってない?

ゴルフ帰りの夫がお土産に持って帰ってきた

青いパッケージ入りのおかき。

砕いたピーナッツ入りの小ぶりな「ピーセン」の青缶は

泉屋のクッキー、虎屋の羊羹、ウェストのロシアケーキなど並んで

「東京」が特別な場所だった頃の定番お土産でありました。

出張帰りの父や東京の親戚のおじさんの鞄から

「ほら、お土産だよ」と姿をあらわした青い缶は

地方の子供にとってお土産以上の宝物だった。

青い缶には銀色のエッフェル塔のイラストと

仏蘭西風のお洒落な赤い字体で「PEASEN」と描かれていて

さりげなくトリコロールカラーで統一されたおかきの缶は

「パリ」も「東京」も遠い憧れの都だった少女にとって

特別な華やぎと輝きをもつ宝石箱のように見えたものだった。

「おかき食べたら、この缶、ちょうだいねっ、ねっ?」と

母にしつこく予約(笑)していたことを思い出す。

結局、ピーセンの青缶に何を大切にしまったのか、

実はさっぱり忘れてしまっているが(笑)、

庶民的なおかきがお洒落な缶に詰められていること自体が

「東京」だなぁ~って憧れ、感心したことはよく覚えています。

その後、大学に進学、憧れの「東京」で暮らした時代も

友人のお宅などでよく「ピーセン」を食べた記憶がありますが、

そういえば・・・最近めっきりと口にする機会が減っていました。

今は全国のデパ地下で東京銘菓が手に入る時代だし、

東京羽田空港も沖縄旅行の際などよく利用するのに、

東京土産の定番「ピーセン」を見かけることがとんとなかったような・・・。

あらためて「ピーセン」とネット検索してみて驚きました。

知らなかった。伝説の東京土産は一度は姿を消し、

そしてこの春に奇跡の復活を遂げていたのでした。

「ピーセン」は「銀座江戸一」が戦後間もなく発売開始。

サクサク感とお洒落な仏蘭西風のイメージが人気を博し、

エッフェル塔の青缶は東京土産の代名詞になり、

1961年の全国菓子博覧会では総裁賞を受賞、

アメリカ進出も果たしましたが、時代が移り変わるなか、

銀座江戸一の社長が病に倒れ、「ピーセン」は存亡の危機に。

1997年いったん暖簾をおろすことになったのです。

江戸の粋を伝える名物菓子が消えてしまうことを惜しんだのが

同じ銀座の旦那衆でした。

江戸文化に通じ、ともに東京の未来を談じていた仲間である、

「榮太楼」の社長(現会長)が「ピーセン」の製造販売を引き継ぎ、

今年の春に復刻リニューアルを果たしのだそうです。

江戸の旦那衆の粋な男気で奇跡の復活、

う~ん、ますます味わい深い江戸おかきであります。

雑誌「DIME」に掲載された記事によれば

2冊のノートに残された門外不出の「ピーセン」レシピは

当時からの製法を守る職人さんが今もしっかり守り続けているそうです。、

さらにリニューアルにあたって、味わいもブラッシュアップ、

千葉産ピーナッツ100%に切り替え「思いきりピーナッツ率」を上昇、

新たに濡れせんタイプの「しっとりチーズ」と

カリカリ&サクサク感勝負の「カリっと海老」の新タイプを増強、

懐かしくて新しい平成版「ピーセン」が誕生したのでありました。

いやいや、ホント、知らなかった。

「東京ばな奈」や「ごまたまご」など新東京土産の華やかな活躍の陰に

こんな伝説の東京生まれ東京育ちの粋な復活ストーリーがあったとは。

お菓子の箱にはいつも歴史と物語と人情がある。

今度羽田空港に行ったらお土産に東京「ピーセン」青缶を買って来よう。

大切な旅の思い出をエッフェル塔の青い缶にしまっておくんだ。

江戸の粋と友情がつないだサクサク新「ピーセン」。

さらに美味しゅうございました。

(写真は)

青い紙パッケージもなかなかお洒落。

中のおかきは今風に個袋包装されていた。

「ピーセン」は青、「カリっと海老」は赤、「しっとりチーズ」が白。

個袋もトリコロール、心憎いねぇ~、粋だねぇ~。