秋の最中

これはまた漁師町らしいお菓子だこと。

ぷりぷりと立派な節が連なるお姿をした最中、

厚田名物「シャコ最中」であります。

たっぷりのつぶあんを抱いた甘いシャコも乙なもの。

北海道つぶあん党党首である夫のおみやげ、

むむむ、さすが全道を網羅する守備範囲。

おかげさまで「さくらい印のつぶあんぱん」も

連日売り切れの大人気となっております。

自称「北海道つぶあん党党首」桜井宏も

「さっぽろオータムフェスト」5丁目会場のHBCブースにて

連日、「売れ切れ御免」のお詫び会見に臨んでおります。

せっかくお越しいただいたのにお買い上げ頂けなかった皆さま、

家庭内野党「こしあん党」党首からも心よりお詫び申し上げます。

なにせ「しげパン」さんの真心こめた手作り作業ゆえ、

販売個数に限りがございまして、ひらにご容赦下さい。

で、「シャコ最中」であります。

石狩市厚田(旧厚田村)は日本海を望む漁業のまち。

夕陽が美しい国道231号線オロロンラインから

少し海側に入ったところにあるのが「宮崎一菓子店」。

1902年(明治35年)創業の老舗和菓子屋さんの名物菓子が

地元の名産品を模した「シャコ最中」。

シャコの姿形そのままのヴィジュアルはかなりのインパクトですが、

サックリした皮と上品な甘さのつぶあんのバランスが絶妙、

ゴツイ見た目を美味しく裏切ってくれます。

しかし、どこからどうみても「シャコ」なのに、

袋には大きく「厚田もなか」と書かれています。

う~ん?ひっくり返して裏側の原材料を記したラベルを確かめると

(シャコ)小豆 砂糖 もち米 還元水飴 寒天

(ハタハタ)白いんげん豆 砂糖 もち米 還元水飴 寒天 

2種類の表記があるではありませんか。

そうか、正式名称が「厚田もなか」で、

シャコとハタハタの姉妹(兄弟?)最中があるってことなのね~。

シャコとハタハタはどちらも昔から厚田を代表する海産物。

シャコは5月から6月にかけて水揚げされ、

ハタハタは11月下旬から12月にかけて旬を迎えます。

厚田のツートップを模した最中、

初夏のシャコはつぶ餡、初冬のハタハタは白いんげん餡、

海の名産品は旬の時季にしか味わえませんが、

名物最中は春夏秋冬オールシーズン楽しめるってわけですね。

余分なものが入っていない誠実なシャコ最中に味わいながら、

ふと、疑問、「もなか」ってどうして「最中」って書くのでしょう。

野宮的バイブルの和菓子事典をさっそくひもとくと・・・

「最中」とは中心、真ん中の意味。

平安時代の歌人、源順(みなもとのしたごう)の歌

「水の面に照る月浪をかぞふれば今宵ぞ秋の最中(もなか)なりける」

(拾遺和歌集)にあるように、

「秋の最中」とは中秋の名月にゆかりのある言葉だったようです。

で、お菓子も最初は名月に見立てて、丸い形だったとか。

その始まりは江戸時代の吉原に店を構えた

菓子司「竹村伊勢」の「最中の月」だとされています。

薄いお餅を形で焼く最中はどんな形でも製造可能だったため、

今では植物、動物、器物あらゆる形の最中が楽しめ、

シャコやハタハタなどお魚系もお手のものってわけですが、

元々は中秋の名月にゆかりのある和菓子だったですね。

明日27日は中秋の名月。

残念ながら中秋イブの今朝からお天気は下り坂。

どんどん雲が厚くなってきましたが、

シャコ最中など窓辺に備えながら

月の出を祈ることにいたしましょう。

お月さま、どこ?

(写真は)

堂々たる存在感が素晴らしい。

「厚田もなか(シャコ)」。

冬の風物詩ハタハタの季節には

白いんげん餡の(ハタハタ)も賞味したいもの。

甘いハタハタも美味しかろう。