月と語る

「ちょっと、ちょっと、い~もの見せてあげる!」。

昨夜、リビングで録画していた映画を観ていると、

突然、書斎(旧子供部屋、笑)で本を読んでいた夫の声がした。

「え?なになに?」、驚いて行ってみると、部屋の電気がパチンと消えた。

あ・・・お月さま・・・!

街の灯りと十五夜の月と。

い~ものとは、それは見事な中秋の名月だった。

今夜の満月が地球に最も近い距離のスーパームーンになりますが、

一晩早い昨夜もいつもの年よりも大きく立派な中秋の名月でした。

「月見れば千々にものこそかなしけれわが身ひとつの秋にあらねど」

古今和歌集の歌に見るように

日が落ちればあたり一面暗がりとなった昔は

冴え冴えとした青い月はより神秘的に見えたことでしょう。

でも街の灯りにほんのり照らされる十五夜の月もまたいとおかし。

灯りひとつひとつの下には懸命な人の営みがあって、

そのひとつひとつをいとおしむようにまんまるいお月さまが笑っていた。

ビルのシルエットと街の灯りとお月さまと。

いつもの年より地球に近づいた昨夜の大きな月は神秘的というよりも、

何だかとてもあったかく人間味が感じられた。

「太陽と未来 月とは過去語る」。

今朝の天声人語が月を詠んだ西出楓楽の川柳を紹介していました。

な~るほどねぇ~。確かにね~。

秋の夜空にぽっかり浮かんだ十五夜の月を眺めていたら、

「なんだか、ありがとうだねぇ~」、傍らの夫に呟いていた。

「へ?」

「いや、何だかさ、これまでの人生、ホント、幸せだったなぁ~って」

「ま、確かにね~、そ~だよね~、ありがたいことだよね~」。

まんまるいお月さまと過去を語る十五夜の夜。

何だかわからないけど、

これまでのすべてに感謝したい気持ちになった。

月と語ると人は素直になれるんだな。

太陽は眩し過ぎて向かい合って語るのは難しいけど、

穏やかな月とは相対して長い夜、いつまでも語ることができる。

月と語る、ねぇ。

しみじみそんな楽しみを感じるお年頃になったのねぇ(笑)。

今宵の十六夜は格別のスーパームーン。

札幌の天気は徐々に下り坂だけど、

雲間から覗けるかもしれません。

今晩もちょっと月と語ってみようっかなぁ~。

昨夜は過去を、今宵は月と未来を語るのも、いとおかし。

月と、語ろう。

(写真は)

街の灯りと中秋の名月。

都会の真ん中に浮かんだ月には

ちょっとめかしこんだうさぎさんが見える・・・ような気がした。

月は、ほんと、いいね。