世界珈琲見聞記

「あの伝説の焙煎工房にカフェができたらしい」。

旅も最終盤に入った「夏の沖縄旅」8日目、

香港路地裏的美味中華食堂の「燕郷房」で

蜜汁叉焼と蒸し鶏ダブルのせごはんの超満腹ランチを完食、

心身共にエネルギーチャージした旅人の耳に

何とも素敵な噂が飛び込んできました。

もしかして、港川のあの珈琲焙煎工房のこと?

よ~し、食後のコーヒーはちょっと浦添市まで車を飛ばしましょう。

個性的なショップが軒を連ねる港川カフェストリート。

沖縄本島中部浦添市にある注目のエリアです。

かつてはアメリカ軍基地内の居住区だった場所で

今でも当時のままの庭つき一戸建ての外人住宅が

お洒落なカフェやレストラン、セレクトショップとして個性的にリメイクされ、

話題の人気スポットとなっています。

「アリゾナ」や「ジョージア」などアメリカの州名がついた通りが

何本も並ぶ港川カフェストリートの一角、「ネバダ通り」に入ると、

どこからか香ばしいコーヒーの香りが漂ってきます。

1988年創業の豆と焙煎を知り尽くした自家焙煎のコーヒー工房、

「沖縄セラードコーヒー」です。

コーヒー豆の故郷南米に生息する鳥、

大きな黄色いくちばしが可愛い「オオハシ」のロゴマークが目印。

焙煎職人であるオーナーの末吉氏が

世界中の産地から厳選した個性あふれるコーヒー豆を毎日丁寧に焙煎、

新鮮な珈琲を最高の状態でお客さんに届けたいとスタッフによる配達が基本、

黄色いくちばしの「オオハシ」君が目印の「沖縄セラードコーヒー」を

スーパーなどで見かけることはありません。

沖縄県内でもある意味、レアな自家焙煎珈琲なのであります。

ここの香り高い特別の一杯を楽しみたかったら、

工房で週末限定で開かれるコーヒースタンドに足を運ぶか、

お豆を買った際にサービスしてくれる一杯を飲むしかなかったのですが、

何とその「沖縄セラードコーヒー」にカフェができたとな。

それが「沖縄セラードコーヒーBeansStore」。

工房があったのと同じ場所に念願のスペースが誕生していました。

外人住宅の扉を開けると

手前の空間がカフェスペースになっていて、

奥のカウンターで末吉さんが一杯一杯心をこめて、

「あなたのための」コーヒーを淹れてくれる素敵な設計になっています。

ここは「わざわざ出かけて来て良かった」と満足できる、

プロにしか淹れられない一杯を楽しむための空間。

ゆえに余計なものはありません。

普通のカフェにあるような対面式のテーブルもなし、

きらびやかな甘いスイーツ各種もなし、

誰もがひれ伏すパンケーキなど気配もなし、

すっきりとした壁際に小さなベンチが2か所据えられているだけ。

マガジンラックにはセンスの良い雑誌が置かれていて

さりげないファッションが素敵なお客さんが雑誌片手に

末吉メイドの特別な一杯をそれはお洒落に楽しんでいます。

店内のどこを切り取っても雑誌「BRUTUS」に出てきそう。

いまどきコーヒー男子にお似合いの空間です。

また場所柄か外国人遭遇率も高く、

今もカウンター越しにブロンドの青年と末吉さんが

かなり専門的な珈琲豆トークを交わしている真っ最中。

小さな豆が世界を結ぶ。

ブラジル、メキシコ、コスタリカ、エクアドルにグアテマラ、

コロンビア、エチオピア、インドネシア・・・

「沖縄セラードコーヒー」のボトルに並んだ国名を眺めているだけで

香り高い珈琲豆ともにしばし世界一周旅行が楽しめます。

その中には「ルワンダ」という国名も。

長く続いた内戦とそれに伴う大量虐殺の悲劇で知られる国は

いま、コーヒーを経済の柱のひとつとして

国を建て直そうと立ち上がったところだそうです。

「沖縄セラードコーヒー」で扱われているルワンダ産の豆は

甘くパイナップルのような爽やかな甘味が特長で

日差しの暑い夏にアイスコーヒーで飲むのがおすすめとか。

甘いスイーツととも女子トークを楽しむカフェ時間も楽しいけれど、

馥郁とした珈琲の香りにつつまれ、壁際の小さなベンチに腰掛けて、

豆のボトルに並んだ世界の国を思い浮かべながら

ちょっと男前に珈琲に浸るカフェ時間もまた素敵だ。

ここでしか会えない。

ここまで出かけて来て良かった。

そんな特別な一杯を味わえるカフェ。

小さな豆が地球儀に見えてくる。

珈琲豆は知的好奇心もくすぐるんだ。

毎週通いたくなる一軒。

遠すぎるけど(笑)。

(写真は)

物静かに目の前のお客さんのために

特別な一杯を淹れてくれる。

黄色いくちばしの鳥さんの看板を目印に

港川カフェストリートを散策してみてください。

「沖縄セラードコーヒーBeansStore」。

コーヒー男子に特におすすめの一軒です。