つばめ食堂
秋は渡り鳥たちが南へ帰る季節。
馴染み深いツバメたちも枯葉が舞い散る前に暖かい国へ旅立ち、
そしてあくる春、ツバメは毎年同じ巣に戻るという。
美味しいえさを求めて長距離移動もいとわない。
あれ?もしかして、私もツバメ?
しばしの小休憩を経て
「夏の沖縄旅」8日目リポートを再開いたしましょう。
旅の最終日前日は朝から那覇の街中をのんびりクルージング。
開店早々の琉球漆器の老舗「角萬漆器」で
真っ赤な小皿揃いをまさかのセール価格でゲット。
そういえば札幌でも今時期は夏のセール真っ盛りよねぇ~。
今年の戦利品はお洋服ではなく南国の漆器というのも乙なもの。
トレンドに左右されることなく長く愛用できます。
それにしても、真夏の那覇はさすがに暑い。
漆器店を出て、ゆいレール見栄橋駅から国際通りまで
街歩きコースとしては大した距離ではないのですが、
夏女の旅人もけっこうな汗がでます。
でもこの暑さが好きなのよねぇ~。
「暑い暑い」と言いながら、顔はにんまり、けっこう不気味だ(笑)。
市場中央通りやむつみ橋通りなどで
明日最終日の生鮮食品ショッピングの下見などしていると、
いい感じにお腹がすいてきました。
那覇のお昼ごはん・・・う~ん、ちょっとガッツリいきたい気分。
決めた!大好きなあのお店にしましょう。
人気中国料理店「燕郷房(ヤンキョウファン)」です。
ゆいれーる県庁前駅の裏側。
地元新聞社やビジネスホテルが立ち並ぶ通り沿いに
香港?九龍?中環(セントラル)?の路地裏食堂?と錯覚しそうな
小粋な佇まいの中国レストランが見えてきました。
石造りの外壁に墨字で大きく「燕郷房」が描かれた看板に
南国の街路樹が濃い緑の陰を気だるげにさしかけています。
八角(スターアニス)か花椒(ホワジャオ)だろうか、
異国情緒いっぱいの刺激的なスパイスの香りがほのかに漂ってくる。
何度訪れても「香港路地裏」に一瞬でワープした気分になります。
ただいま~、帰ってきましたよ~、燕郷房(ヤンキョウファン)。
この店を初めて訪れたのは3年前。
偶然、店の前を通りかかって「野宮センサー」がビビビッと激しく反応(笑)。
「ここは絶対旨いはず!」。
はたして、確信を持って乗り込んだこのお店で食べた
「糖?肉塊」(?の漢字が見つからない、笑)、
「げんこつ肉の黒酢酢豚」にノックアウトされたのでした。
青菜炒めもおつまみに出された塩茹で落花生も
かつて香港旅行で食べまくったかの地の味と遜色ないレベル。
亜熱帯の甘く気だるい暑さのなかを歩いてたどりついた食堂で
ガッツリ中華を食らう快感がたまらない。
そうなのだ、沖縄には中華料理がよく似合うのだ。
申し分のないお料理、良心的な価格設定、
お洒落だけど気どり過ぎないインテリア、
混雑する店内をてきぱき動き回るスタッフの気持ちいい接客、
全くいうことなしのお店でしたが、
ただひとつ、近くの席からかすかに漂ってくる紫煙が気にかかり、
「ごめんなさい・・・もし空いていたら席、移動できますか?」と
スタッフにこっそり避難をお願いしたのでした。
速やかに事情を察知し、スマート心地よく対応してくれて、
さらに野宮的評価は「A+(プラス)」に。
それから何ヶ月か後。
二度目にお店に行った時に驚きました。
「いらっしゃいませ」と迎えてくれたマダムらしき女性が
「以前もいらして頂きましたよね。ご安心ください、
今年1月から全面禁煙になりましたので、
どこでもお好きな席にどうぞ」と笑顔でにっこり。
初回と同じく息子と二人連れだったので、覚えていてくれたようです。
ヤケに滑舌のいい母親とガタイのいい大学生の息子、
まあ、記憶には残りやすいか(笑)。
確かに前回のお会計の時に
このマダムと「ご旅行ですか?息子さん?親子でいいですね~」など
軽く世間話をした記憶はありますが、
それにしても二度目の来店なのに
お客さんの顔を覚えていてくれるなんて、ちょっと嬉しい。
お店の名前は「燕郷房」、燕(ツバメ)の故郷のお家。
春になって日本に戻ってくる燕になったような気がした。
青葉茂る季節になると美味しいえさを求めて
毎年同じ巣に戻ってくるというツバメ。
南国の日差しと美味しい中華が恋しくなると
毎年のように同じ中華食堂に戻ってくる旅人。
那覇の街角にある「野宮的つばめ食堂」だ。
勝手にご縁を感じながら今年の夏も戻ってきましたよ。
さあて、初のランチタイム。
燕の故郷で、何食べようかな~。
美味中華的話は明日。
(写真は)
「燕郷房」の二階にて。
階段横に飾られたロータス(蓮)の壁画が素敵。
窓の外の白い日差しと
逆光気味のほの暗い室内のコントラストも
ね、何だか、香港っぽいでしょ。

