ただいま食堂

ひと雨ごとに季節は秋へ。

久しぶりの夏日だった昨日から一転、今日は朝から雨。

温かいモーニングコーヒーがしみじみ美味しい。

ああ、秋なのね・・・。

今晩は秋刀魚で焼きましょうか。

秋めく北海道で愛する沖縄を反芻する朝よ(笑)。

「夏の沖縄旅」7日目リポートも終盤。

1泊2日の宮古島「旅中旅」を無事に完了、

五つの島をアイランズ・ドライブするミッションも終えて、

45分遅れのJTAで那覇空港に戻ってきたのは夜の7時。

バッグひとつの身軽な旅人は空港からゆいレールに乗り、

那覇の中心部にある定宿ホテルに帰ってきました。

ただいま。

明るく賑やかな那覇の街灯りが無性に懐かしい。

たった1泊の旅から戻っただけなのに

もはや那覇の街はホームタウン、ほっと落ち着く。

ああ、お腹がすいてきた。

宮古空港でおつまみかまぼこ「チキアギー」をつまんだだけだもんね。

さあ、ホーム(笑)那覇での「ただいま晩ごはん」、

お店はどこにしましょうか。

時間は夜の8時近いし、ホテルからそう遠くない方がいいよね~。

旅から戻ったばかりだから、なんかほっとゆるゆるできるお店がいいな~。

手持ちの沖縄本をぺらぺらめくる・・・。

おっ!、ここだ、今晩はこういう気分なんだよね~。

「素朴な家庭料理と温かい雰囲気が魅力」。

決めた!場所は国際通りの裏側ね。

さっそくホテルの前からタクシーを拾って、お店を目指します。

きらきら賑やかな国際通りの裏側、

あれ?ここって、あのクラフトビールのお店のすぐご近所だわ。

宮古旅の前に地ビール三昧で楽しんだ「麦」が2軒隣のビルにある。

やっぱり国際通りの裏側って、狙い目よね~。

地元の人に愛される隠れ家名店が潜んでいるのであります。

ひっそり静かな通り沿いにひときわ暖かな黄色い看板が見えます。

あ、あった、あそこだ。

家庭料理の店「まんじゅまい」。

1975年の開店から40年に渡り、地元客から観光客まで

数多くのお客さんに愛されてきた久茂地の名物店です。

「こんばんわ~」。

暖かな明かりが中からこぼれてくる扉をそっと開けます。

「はい、いらっしゃあ~い!さあさ、奥へどうぞ~」。

ザ・お母さんという感じのベテラン店員さんがニコニコ迎えてくれました。

大正解!今夜も、当たりだ。

お店は奥の厨房とお座敷に向かって細長くのびていて、

両側に昔懐かしい感じのテーブル席が並んでいます。

既に何組かの仕事帰りの地元のお客さんたちが

シャツの襟をゆるめてオリオンや泡盛片手にほろ酔いモード、

一人黙々と丼ごはんをかきこむ青年の姿もあります。

地域の人々の舌とお腹を満足させてきた老舗食堂。

気取ったカフェよりこういうお店がずっとずっと大好き。

思わず「ただいま~」と帰ってきたくなる温かさに満ちています。

さあてと、何を食べようかな~。

厨房に近い奥のテーブルに落ち着いてメニューを開きます。

さすが地元に愛されて40年食堂、品数の多いこと。

各種チャンプルーにラフテー、テビチ、フーチバーじゅーしー・・・

初めてのお客さんにもわかりやすいように写真つきなのが嬉しい。

しかも英語と中国語も並記されている。

最近特に外国のお客さんが急増している那覇の街の変化に

こうして老舗食堂も柔軟に対応しているんだ。

観光都市としてありよう、実に参考にあります。

うわぁ・・・これ、美味しそう~。

ふるふるの真っ白いお豆腐が鍋の中で揺れている写真に釘付け。

「まんじゅまい」自慢の「自家製ゆしとうふ」であります。

ゆしとうふとは島豆腐が完全に固まる前の柔らかな寄せ豆腐のこと。

昔は温かいゆしとうふを鈴を鳴らして売り歩き、

沖縄の人々はお鍋を持って買いにいったそうです。

宮古島帰りの旅人のお腹が頭よりも先にリクエストしている(笑)。

じゃあ、この自家製ゆしとうふと、カラシナ(島菜)ちゃんぷるーと、

とりあえずお約束のオリオン生を頼みましょう。

「はい、おまちどうさま~、ゆしとうふですぅ」。

ふるふるの真っ白いのゆしとうふが温かい汁に揺られている。

沖縄の自然の海水で固める昔ながらの製法で作られているそうです。

畑と海の恵みたっぷりに産湯につかった生まれたてのゆしとうふを

そ~っと汁ごとすくって一口。

ほわぁ~ん・・・泡雪のように口の中でお豆腐がとけていく。

後に残るのは豊かな大豆の香りとかすかなかすか潮の匂い。

1泊2日の旅中旅の疲れがゆるゆるとほどけていく。

カラシナ(島菜)のチャンプルーも

しゃきしゃきの歯ごたえと独特の香りとかすかな辛みが

冷えたオリオン生と相まって、ビールが進む進む。

「すみません~、オリオンのお代わり下さ~い」。

最初の一杯飲み干した段階ですでに気分は常連さん(笑)。

「はいはい~、あ、これ、サービス。良かったら食べてみて~」。

お母さんみたいな店員さんが

目の前にさっと小鉢を出してくれました。

「えっ?いいんですか?ありがとうございますぅ」。

入店10分で常連さんと認定されたようで旅人は舞い上がる(笑)。

しかし、これは、何だろう・・・?

小鉢のなかには刻まれた真っ白な野菜・・・。

「あの、コレ、何ですか?」

「これ?もぅーいー」。

もぅーいー?モゥーイー?モアイ像はイースター島だし(笑)。

初体験の真っ白い謎の野菜のお話はまた明日。

那覇の裏通り、

暖かな明かりが灯る40年の老舗食堂で

和やかな夜は更けていくのでした。

(写真は)

久茂地の名物店「まんじゅまい」自慢のゆしとうふ。

朝いちばんに仕込んで、

ゆしとうふがなくなったら店じまいなんだそうです。

カッチンコッチン、毎日毎日、真面目に時を刻む。

40年の老舗食堂の美味しい古時計だ。