トロピカル・キャップ
南の島で夜のお花見。
夜にしか咲かない神秘の花「サガリバナ」に夢見心地。
宮古島の夜は甘い芳香に包まれ、ふけていく。
今宵の美しさは一生忘れない。
夜に咲き、朝に花を落とす幻想的な花。
宮古島平良郊外の「添道サガリバナ群生地」の花のトンネルは
夜の深まりとともに甘いバニラのような匂いはいっそう強くなり、
薄ピンクの花びらもますます大きく開き、その美しさは凄みさえ感じる。
なんだか花の精に魂をもっていかれそうなほど・・・美しすぎる。
はっ、いかんいかん、レンタカー運転して、ホテルに帰らなくちゃ(笑)。
サガリバナの幻想世界から現実に戻りましょう。
真っ暗な島の細い夜道にヘッドライトの光が連なる。
サガリバナの季節限定の時ならぬ真夜中の渋滞風景もまた一興。
島の中央部から南海岸にある東急リゾート目指して走り出します。
さすがに30年の老舗リゾート、ナビも一発で案内開始、ほっ。
夜のお花見、行きはドキドキ、帰りはらくちん。
時刻は夜9時過ぎ、車もめっきり少なくなった夜の道を快調にドライブ、
30分ほどで瀟洒な東急リゾートのエントランスに到着。
夏の沖縄旅6日目、早朝の那覇をJTAでひとっ飛びした「旅中旅」、
一日4つの島を走りきったレンタカーを駐車場に止めて、はい、ただいま。
南国の夜。
星がまたたき、月が微笑む。
頬をなでる風は甘く、気だるく、
ノンアルで我慢したドライバーを誘惑します。
ええ~い、おやすみ前に、ちょっと一杯、いっちゃう~?
超久しぶりの楽園リゾート、しかも1泊しかしないんですもの、
お約束のトロピカルカクテル、飲まなきゃ、もったいなぁ~い。
というわけで、
幸運アップグレードされたオーシャンスイートに荷物を置き、
携帯とルームキーだけを持って、バー「ムーン・シェル」へと向かいます。
うふふ・・・ス・テ・キ。
女子が夢みる南国トロピカルなバー、そのもの。
夜のビーチからかすかな波音が聞こえるテラス席、
プールサイドのウッドデッキから望む鏡のような水面には月が映る。
そして琉球石灰岩をふんだんに使ったバーの天井からは
7000枚もの貝殻で作られたシャンデリアがまばゆくきらめいている。
ひゃあ~、素敵ぃ~、アガるぅ~、
カウンターで若かりしトム・クルーズがシェイカー振っていそうだわぁ~(笑)。
早朝の飛行機に飛び乗り、一日ハンドルを握ってあちこち巡り、
さすがにヨレヨレの旅人も、忘れかけていた女子心が蘇ってきた。
いつもなら、親父女子、
「まずは冷えっ冷えのちべたいビール!」と叫ぶところですが、
この舞台設定ですもの、
フルーツ+お花+ちっこい傘(笑)三点セットのあれあれ、
華やかなトロピカルカクテル、ですよねぇ~。
普段は照れくさくて注文できないが、南国リゾートだもんねぇ~。
「え~っとぉ、じゃあぁ、アタシ、ピニャ・コラーダ」。
オーダーしたのは人気のトロピカルカクテル「ピニャ・コラーダ」。
ホワイトラムをベースにパイナップルジュースと
ココナッツミルクをシェイクした人気のロングカクテル。
「ピニャ・コラーダ」とはスペイン語で
「パイナップルの生い茂る峠」という意味とか。
その名の通り、パイナップルの甘酸っぱさとココナツの濃厚さが特徴の
女子好みの南国カクテルであります。
1963年、プエルトリコのバラキーナ・バーで誕生したと言われ、
その後、カリブ・ヒルトンホテルのメニューに載ったことで一躍人気を博し、
70年代にはアメリカで大人気、マイアミやニューヨークでは
フローズンされたピニャ・コラーダをアイスクリームコーンに入れて
楽しむスタイルが流行したそうです。
「お待たせしました、ピニャ・コラーダです」。
目の前に美しいクリームイエローのトロピカルカクテルが置かれました。
うふふ・・・カットされたパイナップルと南国のお花と・・・、
お約束の水色の小さな傘がちゃんとついている。
こうでなくちゃ、満足満足。
気分は一気に初めて南国リゾート体験した20代に戻ります。
甘い、華やかなカクテルが大好きだった若かりしあの頃よ(笑)。
今ではビールもワインもカヴァもきりっと辛口、
思いきり苦いゴーヤーの味わいがわかるほどに人生重ねましたが、
超久しぶりの甘~いトロピカルカクテルがたまらなく美味しい。
甘く濃厚なピニャ・コラーダに
身も心も心地よくほろ酔い。
宮古島の夜。
満天の星空にぽっかり浮かんだ月がにっこり笑ったような気がした。
おやすみ前のトロピカル・キャップは一杯が適量。
お月さまにおやすみなさいをしたら、お部屋へ戻ろう。
明日は5つ目の島を制覇します。
今宵見る夢は
海人の島か、サガリバナか。
なににしてもいい夢が見られそうだ。
(写真は)
7000枚の貝殻シャンデリアと
甘く濃厚な「ピニャ・コラーダ」。
いくつになっても、女子はトロピカルドリンクがお好き。
うふふのふ。

