赤土と白化粧
なんと清々しい美しさでしょう。
瑞々しい素顔美人のような器にぞっこん一目惚れ。
沖縄のやちむんの魅力は奥深い。
またまた恋に落ちてしまいました。
夏真っ盛りの沖縄旅リポートも3日目、
そろそろメインタイトルもはずし、サブタイトルのみで進めます。
昨日は朝から我が心のやちむんの聖地、読谷村で巡礼の旅、
その後ぐるりと本島イーストサイドをロングドライブしましたので、
今日はゆるりと那覇の街をお散歩することにしましょう。
目覚ましもセットせず、のんびり朝寝・・・と思っても
6時前に自然とぱっちりと目が覚めてしまう超朝型人間(笑)。
カーテンを開けると窓の向こうには
ゆいレールの近未来的な高架が朝日に照らされて銀色に光っている。
夏の朝、那覇の街はきょうもご機嫌のようだ。
朝食ブッフェでたっぷりの野菜に焼きたてオムレツ、
グラノーラとヨーグルトなどなど、しっかり朝ごはんをいただき、
の~んびりと、ぷ~らぷらと那覇散歩にお出かけです。
きょうも予想最高気温は33度、日差しが少しずつ本気を出してきた。
夏のハットをかぶり、日焼け止めもちゃんと塗って、UV対策は万全。
まずは早くから開店しているはずの器のセレクトショップへ。
市場中央通りから平和通りへ抜ける小さな並木道にある、
お気に入りの「GARB DOMINGO」、
10時前にはオープンしている・・・はず・・・が、
あ~らら、残念、まだシャッターが閉まっています。臨時休業?今日は遅い開店?
まあ、旅は始まったばかり、時間があったらまた訪ねてみようっと。
じゃあ、このまま平和通りに抜けて
壺屋やちむん通りで朝の「やちむん散歩」と洒落こみましょう。
かつて琉球王府により多くの窯元が集められた歴史ある場所。
400mほどの石畳道におよそ50の窯元、ギャラリー、カフェなど立ち並び、
那覇散歩にはうってつけの人気スポット。
何軒かおなじみの窯元さんがあるのですが、まだ開いていません。
きょうは朝早くから開店しているある窯元直営ギャラリーを目指します。
あ、あった、ここだ。
濃いピンクの花と濃厚な緑が美しいブーゲンビリアの大木に隠れるように
落ち着いた雰囲気の工房ギャラリーが佇んでいます。
沖縄サミットの晩餐会の器も製作した壺屋焼きの名工、
高江州忠さんが構える窯元直営ギャラリー「育陶園」です。
実はここにしかないお目当ての器があるのでした。
あ・・・これこれ、想像通り、端正でシンプルでモダンで、素敵。
高さ10cmの「一口ビア」シリーズ。やばい、惚れた(笑)。
小さいながらも存在感のあるこのやちむんグラスで飲むビールの味は・・・
うぐっ、うぐうぐ♪ 想像するだけで、朝から喉が鳴る。
おいしいお酒を飲むなら、やちむんの器がいい。
小さな「一口ビア」シリーズは
あたたかな白い陶器と黒い秞がかかった陶器の2種類があります。
沖縄のやちむんは独特の赤土を使いますが、
絵付けなど色の表現をするために「化粧掛け」といって、
赤土の上に白土をコーティングする技法をとっています。
一目惚れした白い器はその「白化粧」された生地にあえて彩色せず、
化粧土に線を彫り込んで作られていました。
シンプルモダンな造形美が素晴らしい。
沖縄伝統の唐草文様が白い化粧土に生き生きと伸びている。
独特の形状をした彫刻刀で下描きなしに一気に彫り出す「線彫り」という技法。
豊富な土も豊富な木もない小さな島だからこそ、
先人達が限られた条件のなかで描きたかった世界を「彫る」ことで表現し、
何世代にも渡って受け継がれてきた技法だそうです。
あたたかく、やさしく、そっと手に馴染む「白化粧」の地に
ためらいなく伸びやかに掘り出された南国の唐草文様。
あえて飾らない、素の美しさが凝縮されている。
そして「白化粧」と対照的な力強さを見せるのが「黒秞」の器。
艶やかで上品で濃厚な黒秞の地に
やはり「線彫り」で掘り出されているのはやはり伝統の「魚紋」。
沖縄のやちむんの代表的なモチーフで
富と幸福の象徴、たくさんの数の卵を産むため、
子孫繁栄の意味もあるそうです。
現代沖縄モダンな「ブラック&ホワイト」。
お留守番の夫に「黒秞」の魚紋グラスを
自分用に「白化粧」の唐草グラスをひとつずつ買い求めました。
うふふ、さっそく、良きお土産が見つかりました。
やはり、旅先でも早起きは三文以上の(笑)得があるようです。
土でできた器は保温力が高いからビールを冷たく保ち、
微細な凹凸による発砲効果でクリーミーな泡ができ、
目に見えない気孔を通じて熟成効果も期待できるらしく、
ウィスキーやワインなどのお酒にも向いてると言われます。
沖縄のやちむんで、沖縄のお酒を飲む。
むむむ・・・旅の目的がまた増えちゃったぞ~。
今回の滞在中、沖縄のお酒事情もリサーチしたくなってきました。
旅が旅の楽しみを倍増させる、旅の二乗三乗現象(笑)。
愛する土地の器とお酒があれば、旅の余韻は永遠に続く。
丁寧に梱包された小さなやちむんビアグラスを大切に抱えながら、
さあ、のんびり那覇散歩を続けましょう。
壺屋やちむん通りから平和通りへ戻り、
右へ折れれば、大好きなあの小さな坂道へ。
夏の桜坂はどんな風情でしょうか。
ぷらりぷらぷら、気ままなまちまーい(まちめぐり)は続きます。
(写真は)
現代沖縄やちむんを象徴する
シンプル&モダンな「一口ビア」シリーズ。
素顔美人のような白化粧と黒秞の器には
やはりオリオンビールのボトルがよく似合う。
うふふ、今からオウチ晩酌が楽しみ~♪

