マリアのチョコ
ある意味、夢がかなったのかもしれない。
いつか食べてみたかった
あの映画の中のチョコレートは
もしかすると、こんな味だったのかもしれない。
想像するよりもずっと素朴な・・・。
連作でお届けております、
南米世界遺産の旅土産~お菓子編、チョコレートの巻、
いよいよ大トリの登場か。
チョコレートの聖地メキシコのタブレットチョコ。
ちょっとアートなパッケージの中央には
褐色の肌と漆黒の髪、濡れたような黒い瞳の美女のイラストが。
おおお・・・まさに映画「ショコラ」のワンシーンが蘇る。
禁欲的な村に北風とともにやってきた謎の女性、
ジュリエット・ビノシュ演じる主人公のルーツは中央アメリカ。
彼女のパパが幻の秘薬カカオと美しい現地の女性と恋に落ち、
そして彼女が生まれ、皮肉な放浪の運命がもたらされ・・・。
幾年かが過ぎて、開いたショコラトリーの名前は、「Maya(マヤ)」でした。
母から受け継いだ木の道具で
ゴリゴリとカカオをすりつぶす場面を見ながら想像したものです。
こうして生まれたチョコレートはいったいどんな味がするのかしら。
映画では洗練されたボンボンショコラもたくさん登場しますが、
彼女が秘密のレシピで作る唐辛子入りホットチョコレートとか、
画面の隅に映ったどっしりとしたタブレットチョコとか、
ママの遺伝子が息づくチョコの味がとても気になっていたのです。
古代メキシコ、カカオ豆が「テオブローマ(神の食べ物)」と崇められていた
そんな時代を彷彿とさせる味なのではなかろうかと
勝手に妄想を膨らませていたのです。
そして今、目の前には
メキシコからやってきたどっしり系のタブレットが。
では、パッケージを開けて、銀紙に包まれたチョコと対面。
ほおお~、実にボリューミー、ずっしり200gもある。
小細工を施さない素顔のままのようなヴィジュアルは
カカオそのものをあじわうべしと全身で訴えているようだ。
ではひとかけら・・・って、あまりに固くて割れないし(笑)。
何とか夫婦共同作業でひとかけらずつ割り、口に入れる。
おおお・・・。
口に含んだ瞬間、時間軸が一気に古代メキシコへ遡る。
微粒子まで滑らかに溶け合った今どきのチョコレートとは異次元の素朴さ。
カカオ豆や砂糖、それぞれの粒子が荒削りのまま
口の中でメロディを奏でているようだ。
ゴリゴリ、ゴリゴリ・・・木の道具でカカオ豆を挽く、
あの映画「ショコラ」の一場面が蘇ってくる。
滑らかでまろやかな現代のチョコレートに慣れた舌には
ざらざらした食感はちょっと戸惑うかもしれないけど、
これが、チョコレートも歴史の味そのものなのかもしれない。
紀元前2000年頃の古代メキシコでカカオ豆を食べ始めたきっかけは
山火事が起きて、偶然カカオ豆の良い香りに気づいた人々が
カカオ豆を焼いてすりつぶして食べるようになったことだとか。
不思議な果実の中に隠れていたチョコレートの秘密は
偶然のいたずらによって発見されたのです。
ざらざらして、ちょっと舌に残る感触、
私はけっこう病みつきになりそう。
だってこのざらつきは
古代メキシコのカカオの贈り物。
「ショコラ」のルーツを味わう週末、
ジョニデと一緒に食べたいな~(笑)。
(写真は)
ずっしり歴史の重みを感じる
メキシコのタブレットチョコレート。
シナモン・ヴァニラの二種類。
原産地「YUCATAN MEX’ICO」の文字が旅情をそそる。
美女の名前は「Maria・・・」らしい。
あなたは、何者?

