スシ・ワンダーランド

「えっとぉ、注文の仕方、わからないんですけどぉ」。

夫婦二人でタッチパネルの前で固まる。

久しぶりの回転寿司体験は

まるで「不思議の国のアリス」状態(笑)。

初夏の日曜日、スシ・ワンダーランドを満喫しました。

夫のペルー・メキシコへ10日間ほどの海外ツアー出発前日、

しばらくは日本食にもお別れと思ったのか、

「そうだ、お昼は久~しぶりに回転寿司に行こう!」との提案。

ホント、息子が家を離れて以来、ほとんどご無沙汰ですもんね、

どれどれ、最新回転寿司事情も気になるし、

お散歩がてら、送別会ランチに繰り出すことにしたのです。

お目当ては最近できたばかりの徒歩圏内のお店。

昨日の日曜日はお天気は快晴、お昼過ぎには真夏並みの気温、

七分袖のボーダーじゃ、暑かったな、ちょっと失敗(笑)。

そういえば、きょうは小学校の運動会のピーク。

いつもの日曜日なら超満員の回転寿司も今日は狙い目かもね、うふふ。

な~んて、読みは、甘かった。

一見、料亭風の立派な建物の回転寿司手店の駐車場は

予想に反して、びっしり満車状態・・・。

「あれぇ~・・・混んでるんじゃない?」。恐るべし、回転寿司人気。

中の待合スペースで順番待ちする人々の姿が見える。

目の前ではお会計を済ませたグループが外国語で会話中。

日本の「寿司」を満喫されたアジアからの観光客のようだ。

しばらく来ないうちに、ご近所の回転寿司屋さんも

国際化が一気に進んだようだ。

「いらっしゃいませぇ~!」

法被を着た店員さんの威勢のいい挨拶に迎えられて店内へ。

入ってすぐのところには銀行でよく見る受付用の機械が。

画面に人数などを打ちこむと、「待ち時間32分」と表示され、

同時に受付番号を記した紙がプリントアウトされる。

料亭風の店構えに法被姿の店員さん、いかにも「寿司」ムード満点だが、

オペレーションは徹底的にシステマティックだ。

これが現代ニッポンの「SUSHI」なのである。

店内のソファに座って、備え付けの雑誌などぺらぺら眺めていると

ほどなく10分ほどで、私たちの受付番号がアナウンスされました。

よかった、32分も待たなかったね。

「94番でお待ちの2名様ですね!どうぞ、こちらへ」

元気なお姉さんが笑顔で席へ案内してくれる。

「お席は奥の方になっております。

タッチパネルのお席ですが、よろしかったですか?」

ほよっ?タッチパネル???

よくわかんないけで、今更、ここでイヤと言えまい。

「え・・・ええ、だ、大丈夫です」おずおず腰を下ろすシニア夫婦(笑)。

向かい合わせのボックス席は座り心地もよく、落ち着くが、

脇を流れる回転レーンの手前にはタッチパネル用の画面が鎮座。

職人さんが直に見える入り口近くのカウンターと違って、

この席は回転レーンとタッチパネルに遮られていて、まるでプチ宇宙船。

「SUSHI」が自動で流れてくる近未来空間に放り込まれたみたいだ。

久しぶりの回転寿司は最新機器との遭遇の連続、

慣れない夫婦は、何だか、お尻がもぞもぞするようで落ち着かない(笑)。

そんな私たちをヨソに店員さんは慣れた口上を述べ始める。

「本日はいらっしゃませっ!

まず、おすすめの温かな汁ものからご案内いたしますっ。

しじみ汁にタラバたっぷりのカニ汁・・・、

また、本日のおすすめは活ホッキの炙りに、塩レモンに・・・、

ご注文はそちらのタッチパネルでお願いいたしますっ、

どうぞ、ごゆっくりお楽しみ下さいませ~、(ニコッ)」。

ポカ~ンと口を開けて立て板に水の口上に聞き惚れていたが、

まずいっ、我に戻って、立ち去ろうとする店員さんを慌てて呼び止める。

「あの、タッチパネル初めてなんで、

あの、全部、これで注文するんですか?」。

慣れているお客さんにはどってことないのでしょうが、何せ初体験。

ドリンクも本日のおすすめもなにもかも、指タッチなわけ?

「ハイッ!すべてこちらでオーダー承ります!」

あ、そーすか。わかりました。頑張ります・・・。

しかし、人はすぐ慣れる。タッチパネル恐れるに足りず(笑)。

子供でもお年寄りも誰でも操作しやすい画面構成で複雑な手順はゼロ。

好きなお寿司をタッチして、皿数をタッチして、注文をタッチするだけ。

すると回転レーンの上段にある専用レーンを滑るように流れてきて

注文したテーブルにちゃんと自動で到着、

お寿司を取ったら、点滅している赤ランプを押すと、

専用お寿司列車はまた上段レーンを

すいすい~っと速やかに戻っていくのでありました。

白ウサギを追っかけて不思議の国に迷いこんだのはアリス。

久しぶりの回転寿司を求めてしばしワンダーランドを満喫した夫婦は

海老マヨに炙りサーモン、焦がし炙りえんがわなどなど

ワンダーランドならではのバラエティ豊かなお寿司を堪能、

江戸前とITを縦横無尽に融合しちゃうニッポンの凄さに感服した次第。

ヒト型ロボットが寿司握ってくれる日もそう遠くない?

初夏の回転寿司送別ランチ、

なかなか楽しゅうございました。

(写真は)

あなたと私と回転レーンとタッチパネルの近未来空間。

そこは美味しい匂いがするプチ宇宙船。

指タッチでどこからかお寿司が自動で流れてくる。

アリスもきっとびっくりするに違いない。

現代ニッポンのスシ・ワンダーランド。