待つわ

駅に向かう背中に心細さ現れている。

どーしよー・・・スマホがない・・・。

「スマホやめますか、それとも信大生やめますか」。

信州大学の入学式で学長が語ったメッセージが話題になっていますが、

本当にスマホがなくなったら、いまどきの若者はどうなるのか、

今朝のめざましテレビでタイムリーな実験企画をしていました。

まずは実態調査、若者たちのスマホ依存度をチェック。

カフェで友達やカップルなど二人でお茶する11組を調べたところ、

15分間で最大7分53秒、半分近くの時間、スマホを使っているケースも。

平均すると2分49秒、つまり二人で向かい合っているのに

およそ3分もスマホに目を落としているのです。

さらに「スマホがないと困るとき」を聞いてみると

③地図を見るとき ②電車の乗り換え、そして①待ち合わせ、という結果。

では、実際にスマホなしで待ち合わせ実験。

3人の女子にそれぞれ最寄りの駅から

「正午にダイバーシティ東京のガンダム前に集合」という

スマホなしの待ち合わせミッションに挑戦してもらったのです。

実験開始早々、まずお台場方面への電車ルートがわからない・・・。

いつもならスマホでさくさく検索すれば一発なのに・・・

「どーしよー・・・」と駅の階段へ向かう背中は心細さと不安でいっぱい。

駅員さんに乗り換えルートを聞いたり、

遠くに見えてきたガンダム像をたよりに歩いたりしながら、

女子の口から思わず洩れた一言が、「あ~、LINEしてぇ~」(笑)。

何とか2人は待ち合わせ時間に集合できましたが、

残る1人は15分遅れ。さらにスタッフがいじわるなお願いをして、

先に着いていた2人に隠れてもらいました。

「え~・・・何でぇ~、いないのぉ~、まだ着いてない?先帰っちゃった?」

スマホがないから、友達が今どうしているか、さっぱりわからない。

周りを不安そうにさがしまわる彼女と2人が再会したときの感動といったら、

「会えた~!!!、で、今何時?」。

ようやく会えた嬉しさもさることながら、

スマホ頼りで腕時計もしない彼女たち、時間すらわからなかったのです。

時間も、空間も、コミュニケーションも、スマホがなければ成り立たない。

学長さんが「スマホやめますか」と発言したくなるわけだ。

ふと、街角インタビューで昭和世代が語った一言が蘇ってきました。

「待ち合わせの相手がなかなか来なかったとき、どうしましたか」と問われて、

ガラパゴス世代とおぼしきおじさんは言った。

「待つしかない」。

そうだ。昭和は待つしかなかった。

数寄屋橋で待つしかなかったから「君の名は」が生まれた。

「私、まぁ~つぅ~わ、いつまでも、まぁ~つぅ~わ」、

待つしかなかったから「あみん」のヒット曲は生まれた。

もしもスマホがあったら、

昭和の悲恋はあっという間に成就しちゃっていたかもしれない。

もどかしい思いにやきもきする名作、名曲は生まれなかったかもしれない。

たまに、そう、たまにでいいさ。

若者よ、スマホを置いて、荒野をめざそう。

いや、何も荒野でなくていい(笑)。

スマホなしで彼女とスタバで待ち合わせしてごらんよ。

来るかな・・・あれ・・・遅れてる?・・・もう少しで来るよな・・・

大事な人をあれこれ想像しながら「待つ」時間は、

そう、悪くないと思うよ。

(写真は)

こんなカフェなら何時間でも「待つわ」。

外人住宅を改装したお洒落なお店。

窓の景色とタルトと静かな空気が素敵。

待つしかない、よね。