豆雛に思う

札幌は穏やかな青空が広がる雛の朝。

出窓の上の小さな小さなお雛さまたちも

雪景色と春の日差しのコラボをお愉しみのようです。

女の子のいない我が家のささやかな桃の節句の風景。

その昔、銀座の小さな和雑貨のお店で買い求めた豆雛。

確か東京出張の帰りのわずかな時間に立ち寄った時に見つけたんだっけ。

まだ20代前半で、結婚も出産も何の予定もなく、現実味もなく、

「もし将来娘が生まれたら、大きなお雛さまを買ってあげればいいし」なんて

心の中で言いわけしながら、一人暮らし用のマイお雛さまを買ったのでした。

そしていつしか時は流れ・・・授かったのは一人息子。

結局大きなお雛さまを買うこともなく、

この小さな小さな豆雛たちがず~っと我が家の現役お雛さま。

ちんまり赤いお座布団に座っている小さなお雛さまを眺めながら

ふと、思いました。「もし、娘がいたら、どんななのかなぁ」。

少なくとも息子よりは手厚いリアクションが返ってくることは間違いない(笑)。

先日、春ネイルを付け替えてもらいながら聞いたネイリストさんの証言。

高校時代から自宅を離れて下宿生活のしていた彼女の元に

故郷のお母さんから段ボールの定期便が届いていました。

中には手作りのお惣菜とお菓子などがぎっしり。

その母心に高校生の彼女はちゃんとお礼の手紙を書きました。

「ありがとう!お母さんのお料理は、料亭よりもおいしいです」。

泣ける~!

こんな手紙もらったら、一生宝物にとっておくぅ~!

「わかるんですよね~、女の子は、母親の喜ぶツボが。

こう言えばお母さんめっちゃ嬉しいだろうなって、うふふっ」。

確かに、娘でもある自分も思い当たる。

女性同士だからなのか、女性特有の感性なのか、

プレゼントやカードなど母親の喜びそうなポイントははずさない(笑)。

しかし、息子は、そーはいかない。

基本的にノーリアクション(笑)。

先月もバレンタインチョコのついでに遠方の大学に通う息子に

手作りグラノーラなど食糧支援を詰めた段ボール荷物を送ったのですが、

授業に部活にバイトに忙しい毎日、受け取ることすらおぼつかない。

「荷物着いた?」「受け取った?」と何度か催促のLINEののち、ようやく、

「今、受け取った!」「ありがとー!」「てか、このチョコおいしー!」以上。

へ?それだけ?

「お母さんのグラノーラ、パティシエのよりも美味しい!」くらい言えんのか!(笑)

まったく息子という生き物は言葉の絶対量が足りない。

母はたっぷり愛情こめたカードも同封したと言うのに、ホント、つまんない。

夫はといえば「ま、20代の若者としてはしごく健全だな」と一笑。

そうよね~。

20代男子が日々の出来事を事細かにママに連絡したり、

毎日ママとLINEしたりしてたら、彼女だったらちょっと引くよねぇ~。

まあ、フツーに気がきかない程度で喜ぶべきか(笑)。

でもね、

ひらがなだらけだったり、

漢字を間違えていたり、

小さな手で一生懸命お手紙書いてくれた日々は忘れないよ。

豆雛さんの小さなお顔を見ながら

ちょっとだけ時間旅行の雛祭りでありました。

(写真は)

小指の先よりも小さな豆雛さま。

北国にも小さな春が訪れようとしています。