真白の季節
きょうは3月31日の年度末、明日から4月、春本番です。
桜のピンクに、菜の花の黄色、若葉の緑、
春をイメージする色はたくさんありますが、
新年度、新学期にお似合いな春色がもうひとつあります。
それは真っ白。
フレッシュマンの襟元を飾る真っ白なワイシャツ、
新一年生を迎える校門前の横断歩道のひきたての白線、
そしておろしたての真っ白な上履き。
春、新学期の幼稚園や小学校の靴箱には
もうすぐちっちゃくて真っ白な上履きがやってきますね。
春は真っ白の季節。
近頃はその真っ白な上履きを
華やかにデコしちゃうのが人気だそうです。
いわゆる「デコ上履き」。
甲の部分にゴムバンドがついたおなじみの上履きに
紙ナプキンなどの可愛い絵柄を切り抜いて貼り付け、
その上からコーティングするデコパージュを施したもの。
ママの愛情とひと手間が詰まったオンリーワンの上履きです。
朝の情報番組でもママと娘さんたちが一緒に仲良く
「デコ上履き」を作る場面が放送されていました。
この春から幼稚園に入る女の子たちのお洒落センサーは
ちっちゃくても本気度100%(笑)。
目の前のキュートな柄の紙ナプキンを手に手に
「あ、これ、カワイイ~!」「コレもカワイイ~!」カワイイカワイイの大合唱。
やっぱ、女の子は違うなぁ~。
アタシがこだわって選んでママと作った「デコ上履き」だもの、
絶対、大事に履く、汚さないように、大事に履く。
だって、女の子だもん。
これが息子だとそうならない。少なくとも我が息子のようなタイプは(笑)。
「やったぁ~!ウルトラマンだぁ~!」と喜び勇んで履いて外に飛び出した瞬間、
バッシャ~ン!・・・泥んこまみれになることが簡単に想像できる。
男の子とはそういう生き物だ。
人気ブログから生まれた話題の本、
「今日も嫌がらせ弁当~反抗期ムスメに向けたキャラ弁ママの逆襲」。
40代のシングルマザーが反抗期の素直じゃない娘への対抗策として
奇想天外でユニークなキャラ弁を作り続けた3年間の記録ですが、
その「嫌がらせ弁当ぶり」がハンパない。
弁当箱の蓋を開けるとチーズや海苔を駆使したマツコ・デラックスや貞子や
木工ボンドや缶コーヒーのBOSSが現れる。
ボンドの横には「買わなきゃ・・・」、BOSSの横には「のめ!」の台詞入り。
ふてくされ、めんこくない反抗期の娘に毎日毎日3年間、
高い完成度のキャラ弁を作り続けた母の手間と心を
「愛」と呼ばずに何と呼ぶ。
この本には「母娘問題を克服するヒント」があると
精神科医の斎藤環氏が書評で書いていました。
「『あなたのため』と称してなされる『おせっかい』よりも、
愛情をこめて続けられる『嫌がらせ』のほうが”健全”なのはなぜか?」
「そこにあるのが『支配』ではなく、『交渉』だからではないか」と
指摘しています。
う~ん、耳が痛い。
しばしば親というものは間違いをおかす。
我が子育てを振り返ってもそうだ。
親の責任をまっとうしようと「あなたのため」という大義をふりかざし、
頭ごなしに叱りつけてはいなかったか。
自覚なきまま、子を「支配」しようとしたことはなかったか。
そうかぁ、「支配」ではなく、「交渉」という手段があったのだ。
時間と根気と忍耐と信頼によって成立する、大人同士の解決方法が。
私も高校生の息子に「意地悪キャラ弁」で交渉すべきだったか?
と、ちょっぴり殊勝に後悔していたら、
「すぐに真似したくなったお母さまがた、ここは慎重に」と斎藤氏は続ける。
この手法は「娘限定」なんだとか。
息子は、「母のメッセージを理解する前に3分で完食、がオチである」。
わっかるぅ~!わかるわかる!大納得ぅ~!
女の子だからこそ、同性の感性でキャラ弁にこめられた「愛」を
感じとり、読みとることができるのですよね~。
青春まっただなかの男子には、絶対、ムリ(笑)。
ていうか、3分で完食する以前に、
朝、肝心の弁当を持っていくのさえ、忘れてくれそうだ。
う~む、やはり息子相手の「交渉」はなかなか難しい(笑)。
高等テクニックでメンタルに働きかけても、空振りに終わりそうだなぁ。
思えば中学、高校とガッツリ弁当を作り続けた6年間、
反抗期の息子とガチンコ対決も多々あった。
不器用な直球の子育てだったけど、
そんな息子も今は遠い土地でとりあえず一人で頑張ってる。
胃袋に豪速球を投げ続けたことは、無駄じゃなかった気がするよ。
春は真白の季節。
さあ、上履きをいっぱい汚しといで。
泥んこの色はキミが成長した証。
汚れたら、母さんが、ゴシゴシ洗ったげるから。
安心して、泥道をゆけ。
(写真)は
ご近所の花壇で見つけたクロッカス。
いつも春いちばんに元気に芽吹いてくれる。
私のひそかな春告げ花。
小さなクロッカスが見上げる桜並木。
こころなしかつぼみがふっくらしてきたような。
桜待つ楽しさよ。

