お茶碗とお箸

札幌も一気に春めいてきました。

昨日のお仕事も春のコートでお出かけできたし、

街中のビル街からはすっかり雪が消えています。

さあ、それぞれの春が始まりますね。

「いい?はいっ、右見てぇ、左見てぇ、

ちがうちがう、左見るの、ひだり、ひだり、ひ・だ・り!」

地下鉄に向かう途中に出会った光景。

3つくらいの女の子の横にお母さんがぴったり寄り添って、

横断歩道のない小さな道路を渡る練習をしていました。

この春から幼稚園か保育園にでも通うのでしょうか、

小さな一人歩きに備えての予行練習のようです。

道を渡る前に、きちんと止まって、

はい、右を見て、左を見て、もう一度右を見て、

車が来ないことをしっかり確認してから、手を挙げて渡りましょう。

大人にとってはおなじみの安全確認の常套句ですが、

交差点前でまごまご固まる女の子を見ていて、思い出した。

そう、これって子供にとってはとっても難しい要求でもあるのです。

「右見て~、左見て~」ってママは言うけど・・・

「ひだり・・・?ひだりって・・・えっとえっとぉ・・・

どっちどっち?わかんなぁ~い(涙)」。

右と左。

大人にとっては当たり前のその概念が幼い子供にはなかなか理解できない。

難しいのよ、右、左って言われても、ねぇ~。

「僕もずいぶん叱られたっけなぁ~、親父に。ご飯食べながらさ。

いいかぁ、お箸持つ手が右!、お茶碗持つ手が左!

左はどっちだ?違う違う!それは右だ!ってさ」と思い出話に浸る夫。

うふふ、昭和の食卓の風景が目に浮かびますねぇ。

時代は高度成長期真っ只中、日々仕事に明け暮れる昭和の父親が

夕餉どき、妙に必死になって、幼子に「右左」を覚えさせようと苦心している。

でも、お父さんに叱られるたびに、余計、こんがらがって、

それこそ「右も左も」わからなくなって、半ベソをかく小さな男の子。

そんな彼も孫ができてもおかしくない年齢まで育ちましたよ、天国のお父さん。

もちろん、右も左もきちんとわかる立派な大人になっていますよ(笑)。

小さな子供にとっては「あっち」と「こっち」ですんでいたのに、

新しい春からは大人の概念の「右」と「左」を覚えなくちゃいけないんだ。

春は嬉しいけど、小さな出発もなかなか大変だ。

しかも昭和の食卓にはご飯とみそ汁が並ぶのが当たり前だったけど、

今やパスタにカレー、シチューに麺類、

平成の食卓からはどんどんお茶碗とお箸の登板回数が減っているのが現状。

困った、困った、子供たちに「右左」を覚えさせるためにも、

お米のごはんをもっと食べなくてはなりませんな。

食料自給率の目標が現在の50%から45%に引き下げられますが、

お茶碗とお箸の復権は自給率向上にも寄与するし、

子供の交通安全教育にも大いに貢献します(笑)。

新しい春、家族のお茶碗とお箸を新調するのも、

ちょっと素敵なリスタートかもしれませんね。

お箸を持つ手が右、お茶碗が左、またはその反対も。

右利きさんも左利きさんも、素敵な春をお迎え下さい♪

(写真は)

お誕生日のお祝いごはん、

〆は本日の鮮魚の握りを3人でシェア。

真ん中は山口のふぐの握り。

たしかご当地では「ふく」って呼ぶんですよね。

ふく・・・福。

潮の香や 右手で福を つまむ春

                  範子

お粗末!