六感の芸術
これが・・・手作りとは。
美しい出来栄えにうっとりしてしまいました。
満開の菊の花や真っ赤に熟れた柿そのままの上生菓子。
見事なホームメイド和菓子に驚嘆するばかりです。
先日、夫が知人の方からいただいた手作りの和菓子。
子供の頃、ご近所から手作りのおはぎや草餅などはよく届いたものですが、
お上品な紙箱に収められていたのは、
どこからどう見ても和菓子屋さんの店先にあるような上生菓子。
美しい色彩、繊細な意匠、「五感」で季節を味わう芸術品であります。
お菓子作りが得意な方とお聞きしましたが、
世の中には凄いアマチュアが潜んでいるのですね~。
その出来栄えにしばしうっとり、ゆっくり観賞させていただきました。
特に見事なのが「はさみ菊」。
生地にはさみを入れ、一枚一枚、花びらを作りながら、
華やかな菊の花のかたちに仕上げていく匠の技であります。
そっと顔を近づければ、清冽な菊の香りが漂ってきそうです。
食べるのがもったいないわぁ・・・と思いつつも、
いやいや、お菓子は食べられるために生まれてきたのだからと(笑)、
そっと黒文字を入れ、美しい菊を口に運べば・・・美味しい。
中は黒餡で、外側の優しい味わいの生地は・・・練りきりでしょう。
いや・・・もしかすると、こなし・・・?いや、練りきり・・・?
う~ん・・・、そうなんです。
和菓子好きでも迷うのが「こなし」と「練りきり」の見分け方なのです。
どちらも上生菓子の代表的な生地ですが、
微妙に製法や味わいが違います。
この「違い」がわかる人はかなりの和菓子通といって良いでしょう。
「こなし」はこし餡に小麦粉などを混ぜて蒸し、もみこなして作るもの。
京都を中心に広まったもので茶席の菓子によく用いられます。
一方の「練りきり」はこし餡に求肥などのつなぎを加え、
練り上げて作る生地で、こちらも茶席に用いられるもの。
どちらも四季折々の風物を形造るのに適した生地で、
見た目ではその違いはほとんどわからないかもしれません。
「こなし」か「練りきり」か。
何度も味わっていると、その微妙な違いを舌で感じるようになるはず。
「こなし」に比べると「練りきり」の方が少々やわらかく、
野宮的センサーによれば、
「こなし」の方はかすかにかすかに蒸し羊羹に近い風味を感じ、
「練りきり」の方は餡の風味を少しばかり強く感じる・・ような。
ざっくり、「こなし」は京都などではよく見かけますが、
一般的には「練りきり」生地の上生菓子の方が多いかもしれません。
心静かに舌にのせ、五感を研ぎ澄まして味わえば
「こなし」か「練りきり」か、きっと判別できることでしょう。
う~む、やはり、和菓子の世界は奥が深い。
視覚、聴覚、触角、味覚、嗅覚+六番目の感覚で味わいましょう。
そう、「六感」で味わう日本の和菓子は
世界に胸を張って自慢したい食べる芸術品であります。
・・・で、目の前の「はさみ菊」の生地は・・・
たぶん、きっと、おそらく「練りきり」と思われます。
ま、どちらにしても、
美味しいってことは間違いありません(笑)。
(写真は)
ね~?和菓子職人並みの出来栄えでしょう?
世の中にはすんごい素人さんがいるものです。
春を待ちながら、桜の和菓子なんて手作りできたら素敵よねぇ。
弟子入りしたいわ、ほんと。

