よしよしプロジェクト
先生は赤ちゃん。
赤ちゃんと触れあうと誰もが元気になる。
そんな様子を見て赤ちゃんのお母さんも元気になる。
みんなが元気になる、そんな素敵なプロジェクトがありました。
昨日と今日と朝刊の特集記事で取りあげていた「赤ちゃん先生プロジェクト」。
赤ちゃんとお母さんが学校や高齢者施設を訪ねる試みで、
神戸のNPO法人が2012年から本格的に始めました。
養成講座を受けたお母さんが赤ちゃんと一緒に
お年寄りの施設を訪問したり、学校の授業に参加したり。
活動の様子が写真入りで紹介されていたのですが、
その中の1枚がとても印象的でした。
ママと赤ちゃんから「こんにちは」と挨拶された92歳の認知症のおばあちゃんが
ママの頭を何度も何度も撫でる場面を捉えた写真です。
車椅子から身を乗り出すようにして、
抱っこされた赤ちゃんではなく、抱っこしているママの頭を
「よしよし、いい子だね、いい子だね」と優しく優しく何度も何度も。
頭を撫でられたママも、そのママに抱かれた赤ちゃんも、撫でるおばあちゃんも
それは幸せな表情をしています。
なんとも素敵な「よしよしプロジェクト」。
普段は表情が乏しいお年寄りも赤ちゃんがやってきた日は
まるで別人のようになると言います。
赤ちゃんに手招きしたり、目で追ったり、何度も頭を撫でたり。
そして一緒にいるママも元気になれるところに意味があります。
小さな赤ちゃんと二人きりの生活を送るママたちは実は不安でいっぱい。
誰かに無条件にほめられたり、認められたりすることが
どれほどママたちの不安を解消し、自信を与え、心を軽くすることか。
そう、ママだって、誰かに頭を撫で撫でしてほしいのだ。
一方、92歳の認知症のおばあちゃんは何を思い、
ママの頭を何度も何度も撫でたのだろうかと考えます。
はじめての子育てで不安だった遠い日々を思い出したのか、
目の前のママの瞳の中に揺れるかすかな孤独を感じとったのか。
それは想像するしかありませんが、「よしよし」と優しく撫でるその姿には、
誰かをケアする喜びと自信があふれているように見えます。
そう、一方的にケアされるばかりではない、
能動的で強く優しい意思を感じる表情が実に印象的なのでした。
人には人を癒す力があるんだ。
お互いがお互いを受け入れ、慈しむ、赤ちゃんとママとおばあちゃん。
現代の聖母子像にも見える一瞬をとらえた写真は
人間の根源的な優しさをそっと伝えてくれているようです。
4日続きの真冬日、氷点下の立春ですが、
心はほっこりと温まる朝でした。
(写真は)
雪の季節を乗り越えた越冬キャベツ。
厳しい寒さを耐えぬいた甘さは格別。
さっとアンチョビ炒めするだけで絶品の一皿に。
冬野菜に力をもらって、
さあ、春までもう少しだ。

