リリー・スイーツ

英語で「Lily Bulb」。

ある美味しいお野菜の名前です。

北海道産が全国シェア98%を誇る名実ともに繊細で美しいお野菜。

正解は、「ゆり根」。

北海道にはその優しい味と色白肌を活かしたゆり根のお菓子がいっぱい。

そう、北のリリー・スイーツであります。

江戸時代から栽培が始まったゆり根はほくほくした食感と上品な甘さが特徴。

昔から京料理やお正月料理の食材として使われてきましたが、

野菜スイーツブームの昨今、お菓子の材料としても注目されています。

真っ白な仕上がりが美しい「ゆり根モンブラン」などはその代表的存在。

で、夫が出張先でいただいてきたのが「ゆり根チーズケーキ」。

雪のように白いチーズとゆり根の美味しい出会いに感激しました。

ケーキの正式名称(笑)は「穀内さんちのゆり根チーズケーキ」。

一切れずつ包装された小さなチーズケーキには、

「野坂農場さん『ゆり根』&半田ファームさんの『ちーず」』使用」と

しっかり記されています。

おお・・・ゆり根もチーズも作った人もオール北海道。

100%純粋北海道リリー・スイーツだ。

実はシェア98%を誇る北海道ですが、

丹精こめて育てたゆり根はほとんどが関西圏や海外に出荷され、

地元ではあまり消費されず、食べられていないのが現状。

そこで地域特産のゆり根をもっと多くの人に食べてもらいたいと

十勝の幕別町忠類の生産農家、野坂ファームが

大樹町のレストラン「サンジュリアン」の協力を得て、商品化、

去年の夏に売り出されたのがこの「ゆり根チーズケーキ」なのでした。

ではでは、北海道リリースイーツを早速いただいてみましょう。

銀紙をはがして、まずはその美しいビジュアルを観賞。おおお・・・、

ケーキの断面にチーズよりも色白なゆり根の断層がはっきりと確認できます。

なるほど、ゆり根をマッシュせずに花びらのような姿のまま加えているのね。

フォークを入れると、小さなケーキなのに、ずっしりとチーズの密度が伝わる。

ぱくり・・・一口頬張れば、ふわ~っと濃厚なチーズの香り、爽やかな酸味、

そして優しくシルキーなゆり根の食感が追いかけてくる。

ほど良い甘さも実に上品なチーズケーキ。

これは、美味しい。

ゆり根の食感と風味を活かすために

あえて裏ごしせずにクリームチーズと1対1の割合でたっぷりと入れ、

コクを出すためにサワークリームと

大樹町の半田ファームの「オチャード」を加えてあるそうです。

十勝の美しい雪景色を思い浮かべながら

北海道産ゆり根と北海道産チーズの白い協奏曲をしばし堪能。

うふふ、優雅な冬のティータイムを過ごさせてもらいました。

ゆり根の生産には大変な手間と年月がかけられています。

植え付けから収穫まで3年かかり、しかも毎年畑をお引っ越し、

7~10年はゆり根を植えたことのない畑に移動するとか。

また花に養分をとられないよう、固い蕾のうちに一つ一つ摘み取られるため、

ゆり根の畑には花がありません。

お芋とも栗ともお豆とも違う独特のシルキーなほっこり感は

美しく咲くはずだったユリの花の思いが詰まっているのです。

目を閉じて、ほっこりしたリリー・スイーツをもう一口。

真っ白な雪景色の中に純白の百合の花が咲く・・・。

そんな、夢を、見た。

(写真は)

小さな白いチーズケーキには

北海道の美味しいが詰まっていた。

ゆり根とチーズ、最高のマリアージュ。