キャットウォーク
おっと、失礼失礼、ここは猫の通り道でした。
荷物もコートもはみ出さないようにしなくては。
ここは夜空に満月が輝く都会の片隅にあるゴミ捨て場。
そう、誇り高いジェリクルキャッツたちの王国、
ミュージカル「キャッツ」の舞台なのです。
今日から北海道四季劇場で開幕する伝説のミュージカル「キャッツ」。
一足早く、昨日開催されたプレビュー公演に行ってきました。
一瞬視界が真っ白になってしまう吹雪の中、劇場にたどり着き、
一歩足を踏み入れた瞬間・・・あれ、私、猫になっちゃった・・・?
舞台と客席全てが猫サイズの空間になっています。
都会の片隅のゴミ捨て場に中に劇場がある感じ。
通路を歩くこちらも、思わず抜き足差し足忍び足の猫歩きになりそう。
開幕前に一瞬でお客を非日常に引きこむ四季マジック、さすがです。
ご招待された席が何と前から2番目、しかも舞台へ続く通路のすぐそば。
街のガラクタをリアルに模したセットが手を伸ばせば届きそうな近さです。
「キャッツ」の見どころのひとつがこの劇場全体のあちらこちらから
猫たちが変幻自在に出没するところ。
すぐそばにある舞台へ続くスロープにも街路風にペイントされてます。
つまり、これは通路ではなく、猫たちの縄張りということ。
「なんだか幕が開く前から、ドキドキしちゃいますね」なんて
お隣さんとお話していたら、
舞台前に控えていたスタッフがすっと近づいてきて、
通路脇のお客さんにそっと丁寧にこう囁きました。
「大変、申し訳ございません、ここは猫の通り道になりますので、
もう少しだけ膝のお荷物を内側に寄せていただけますか」。
何と、私たちの足元ぎりぎりまで彼らの縄張りだったようです(笑)。
こんなすぐそばを猫たちが通り抜けていくわけか。ふふふ楽しみ楽しみ。
そして進化した2015年の「キャッツ」の幕が開きました。
1981年にロンドンで衝撃のデビューを果たして以来、
ブロードウェイを始め世界各国で大ヒットした伝説のミュージカル。
日本では劇団四季が1983年に初演を飾り、
札幌では1990年と1997年の公演で65万人以上を動員、
その感動は北海道民の記憶にしっかり刻みこまれています。
私もその一人、以前のJ仮設型のJRシアターで何度か観ましたが、
25年ぶりに再会した2015年版「キャッツ」に大感動でした。
今回はほぼ最前列という至近距離だったこともあり、
何より俳優陣の身体能力、躍動する肉体の美しさに圧倒されました。
頭より高く上がる脚、角度がもはや180度以上(!)の開脚、
観ている方が目が回るほど何度も何度も繰り返されるターン、
空中で一瞬静止して見えるほど高いジャンプ、
そのダンスパフォーマンスのレベルの高さはもちろん、
同時にそれを可能にする筋肉の躍動を目の当たりにして
ただただ見惚れておりました。
そうなのです。猫たちの薄いボディスーツを通して、
そのしなやかな筋肉の動きひとつひとつがよ~くわかるのです。
よつんばいになってそろりそろりと舞台を進むとき、
前脚を繰り出す度に肩甲骨を充分に開いてぐるりと動かすことで
実に優雅な猫の動作になっていきます。
これはよほど肩周りの関節の可動域が大きくないと無理。
大きなアクションはもちろん、こうしたささいな仕草も
強靭に鍛えぬかれたプロの肉体でなければ絶対に不可能。
高く上がる脚をささえる見事な体幹。
圧倒的な声量を支える腹筋、背筋、呼吸筋の動き。
猫たちのみぞおちが激しく動くのは完璧なドローインが行われている証。
トレーナーさんにいつも指導されている理想形がそこにありました。
鍛えれば、人間は、猫になれる。
歌いだした瞬間に涙が溢れてくる名曲「メモリー」、
幻想的な舞台装置、タップありバレエありの多彩なダンスメドレー、
誇り高い猫たちの生き方が教えてくれる豊かなストーリー構成、
「キャッツ」の魅力はとても一言では語れませんが、
猫の通り道、まさにキャットウォーク的位置から観劇した今回は
猫たちの身体能力に脱帽しました。
・・・え~っと・・・
体重がじりじり増えるばかりの冬であります・・・。
・・・豚さんにならないように・・・
猫をめざして・・・日曜日だけど、ジムに行こう!
開脚の角度を1度でも広げよう(笑)。
ミュージカル「キャッツ」は
北海道四季劇場で今日開幕、
研ぎ澄まされた飛び切りの肉体を持つ猫たちが
待っています。
(写真は)
南国沖縄は奥武島の「キャッツ」。
名物てんぷら店の屋外テーブルが彼(彼女)の定位置。
既にお客のてんぷらには興味なし。
ただまったりとコンクリートの床で寝そべるのが日課。
昼間はこんなだけど・・・満月の夜には・・・
もしかして、彼(彼女)もジェリクルキャッツか?

