大地のジャム
北海道の美しい農村風景は
まるでヨーロッパのようだとよく言われますが、
冬の我が家のキッチンも、ほぼヨーロッパ。
秋に収穫されたじゃがいもなど大地の恵みが畑からどっさり届き、
きょうは男爵、明日はメークィーンと品種もさまざま、
外の雪景色をよそに暖かいストーブの前で
じゃがいも料理に腕をふるうヨーロッパのおばちゃん気分(笑)。
最近、じゃがいもがほぼ主食、ね?ヨーロッパ人みたいでしょ。
夫の知り合いの農家さんから届いたじゃがいもの箱の中には
かぼちゃやゆり根、そしてぴっかぴかのたまねぎもありました。。
折しもクリスマスのプチ晩餐の準備中、
丁寧に磨かれた美術品のように輝く道産子たまねぎを見ていて、
ピン!閃きました。
今こそ、作ってみようではありませんか。
「Marmellata di Cipolla」
イタリア家庭料理の定番、たまねぎのジャムであります。
イタリアではイチゴやオレンジマーマレードなど果物のジャムのほかに、
野菜を使ったジャムをよく作るそうで、
チーズとあわせて食べたり、お肉料理に添えたり、
食の王国の豊かな食卓を彩るアクセント的存在。
イタリアの眩しい太陽を浴びて育ったトマトやナス、ズッキーニなどなど
さまざまな野菜が個性豊かなジャムに仕立てられますが、
ほんのり甘酸っぱいたまねぎのジャムはなかでも人気の一品。
パンにもチーズにも相性抜群とか、これは作るっきゃない。
実に良きタイミングで、
道新の情報紙「オントナ」の最新号の「ディップ特集」に
レシピが紹介されているではありませんか。いいぞいいぞ。
ぴかぴかの北海道産たまねぎを箱から取り出して、さあ、クッキング開始。
まず、たまねぎ4個を繊維にそって薄切りにし、
ラップをして電子レンジ5分チンした後、
オリーブオイルで茶色に色づくまで焦がさないように
じっくりじっくり、気長に炒めます。う~ん・・・
たまねぎを炒めた時のこの甘い美味しそうな匂いって大好き。
ほっこり、ふっくり、幸せな気持ちになってくる。
黄金色というかへーゼルナッツ色というか淡い鼈甲色というか、
とにかく美味しそうな茶色になったら、赤ワインにバルサミコ、
そしてレシピではてんさい糖となっていましたが、
キッチンにあった三温糖を、
同じくレシピではクローブ一粒となっていましたが、
常備しているホールの黒粒胡椒を5,6粒加え、塩を少々、
後は水分がなくなるまで煮詰めたら出来上がり。
炒める時間さえ惜しまなければ、手順は超簡単、
イタリアで人気のたまねぎジャム「Marmellat di Cipolla」の完成です。
もうね、食べる前から、ほっぺが落ちてきそう(笑)。
この魅惑の美味しそうな匂いが既に味を保証しています。
かりっと焼いた薄切りバゲットに載せて、いっただきまぁ~す。
カリリ、ふわりと濃厚な豊穣の大地の香りが口一杯に広がります。
ほんのりと甘酸っぱく、かすかな黒胡椒のスパイシーな香りが爽やか。
複雑な味のハーモニーの余韻が消えないうちに、すかさず赤ワインを一口。
葡萄とたまねぎが、恋に落ちる瞬間だ。
これは・・・大人のためのジャム。
北海道のたまねぎの美味しさを凝縮したオニオンジャム。
この大地が生み出した食材なら何でも合いそう。
道産小麦の美味しいパン、道産チーズに生ハム、豚肉や牛肉、
そうそう北海道のじゃがいもで作ったマッシュポテトとも
最高に美味しいデュエットでした。
1週間は日持ちするらしいのでこの年末年始の名脇役になりそうです。
野菜でこんな美味しいジャムを作ることを思いつくなんて
さすが、食いしん坊王国イタリアですね~。
大地のジャムでゆく年を惜しむ。
なかなか良き年越しができそうであります。
むふふふ。
(写真は)
たまねぎジャムの深い鼈甲色に
大嶺實清工房のブルーの器がよくお似合い。
大地の豊穣の色と南国生まれのペルシャンブルー。
夢は地球を駆け巡る。



