秀吉とごぼう

知らなかった~。

「堀川ごぼう」って元は普通に細いごぼうだったんだ。

最初っから丸太みたいに太いわけじゃなかったのね~。

何と手間ひまかけられたごぼうさんなのでしょう。

今朝のNHKニュースの特集で大好きな「京野菜」を取りあげていました。

錦市場の京野菜専門店「かね惣」の店先には冬になると美味しくなる海老芋など

見た目も美しい京野菜がずらりと並んでいて、

野菜好きはもう、うっとりしてしまいます。

京都へ行った時は帰る日に必ず立ち寄って、あれこれゲット、

飛行機に乗って北海道まで京野菜持ち帰ったものでした。

その伝統の京野菜のひとつで

お正月などハレの日のごちそうなどで使われる

独特の太いごぼう「堀川ごぼう」の産地が紹介されていたのですが、

その栽培法にびっくり。普通の太さに育ったごぼうを一度抜いて、

畑に横向きに寝かせてもう一度植え直し、

2倍の手間と時間をかけて出来上がるのがこの個性的なごぼうなのでした。

子供の腕ほどの太さに育った「堀川ごぼう」は

中に空洞ができるのが特徴で

その部分にひき肉や海老、魚のすりみなどを詰めて煮物にします。

香りが高く、繊維も柔らかいので味が中まで染み込みやすく、

お上品な京の一品となるわけですね。

2年がかりで「京のぼん」のごとく慈しんで育てられる特別なごぼう、

調べて見ると実は豊臣秀吉と浅からぬ縁がありました。

秀吉が構築した絢爛豪華な京の邸宅「聚楽第」。

豊臣家の滅亡後に残った聚楽第の大きなお濠は

町家から運び出された塵芥で埋まりましたが、

そこで育ったごぼうが年を超して巨大になったことが

「堀川ごぼう」のはじまりとされているそうです。

秀吉とごぼうにこんなサイドストーリーがあったとは。

栄耀栄華の夢の果ての場所に民の芥から偶然生まれた野菜。

ふっとい「堀川ごぼう」には

京という都のすさまじい歴史的エネルギーが詰まっているのですね。

そういえば「かね惣」の人が取材にこう答えていました。

「生活の向こうに京野菜があるんじゃなくて

京都の生活そのものが京野菜なんです」。

千年の都の暮らしのなかで生まれ、継がれてきた野菜たちってことね~。

海老芋の腰が曲がっているのは、

わざと曲がるように育てているんだとか。

それは名物料理「いもぼう」のお椀をみれば一目瞭然。

まっすぐな形をした「棒だら」と見た目のバランスがいいように

ちょいとおいもさんは曲がった方が収まりがよろし・・・ってわけ。

やたらと太いごぼうや、曲がったおいもや、辛くない唐辛子や、

個性豊かな京野菜たちには、それぞれに千年の物語がありそうです。

役者揃いの京野菜を見つくろいに

師走の錦市場まで買い出しに行きたいところですが、

たとえば「りょうおもい」に「くりりん」、

北海道のかぼちゃさんも個性派続々。

まずは地場野菜をじっくり楽しみましょう。

野菜が語るお話に耳をすませながら、ね。

(写真は)

旅にでかけたら

地元評判の八百屋さんに行くべし。

その土地の歴史と暮らしを物語る

個性豊かな地野菜に出会えます。

こちらは那覇の農連市場近くの八百屋さん。

店先には・・・やっぱり名物ネコが昼寝していた。

って、これ、まだ開店準備に忙しい朝なんですけど(笑)。

地野菜もいいけど、地猫も、面白い。