プリンとスピン

おいし~い~!

8年ぶりに口にしたプリン。

満面の笑みの陰にはどれほどの思いがあったのでしょうか。

フィギュアスケート女子の村主章枝選手の引退会見は

禁断のスイーツで締めくくられました。

33歳。女子シングル現役最年長選手として

日本のフィギュアスケートを引っ張ってきた村主選手ですが、

次のオリンピックで37歳になることを考えると「潮時」と引退を決意、

28年間の競技人生にピリオドを打ちました。

その引退会見で用意されていたのが大好物の「プリン」。

2006年のトリノオリンピックから「断って」いた禁断スイーツでした。

「どこに行っても家とリンクの往復しかなかった」という選手生活。

その厳しさに更に拍車をかえるように自らに課した「プリン断ち」。

だからこそ、ここまで競技人生を長く続けてこられたと言います。

そんな彼女が会見で口にした小さなプリン。

デパ地下のこだわりプリンでも有名パティシエのそれでもなく、

どこのコンビニでも売っていそうなフツーのプリン。

ぺろんとはがした蓋のフィルムもそのままに

小さなプラスチックのスプーンで嬉しそうに頬張る姿は愛らしかった。

小さなプリン一個なんてカロリーだって知れてるでしょ。

たまにはそれくらいいいんじゃない?

物凄くトレーニングしてるんだから、それくらい・・・。

と、思うのは、シロート考えってやつなんだろうなぁ。

「現役を引退して一番感じることは、朝起きて、体のどこも痛くないこと」。

女子ジャンプの山田いずみ選手の言葉を思い出しました。

痛みや食への欲望や弱気や、

シロートなんぞはついつい飲まれてしまいそうなもろもろを

強靭な意思の力でコントロールし続けられる人たち、

それが、アスリートという人種なのでしょう。

家とリンクの往復の途中にはいくつもコンビニがあったろう、

くたくたに精根尽き果てた帰り道、

「一個くらい、きょうくらい、いいよね」

悪魔の囁きが聞えたことだってあるだろう。

でもその一口が自分のスケートの命取りになる。

そのひと匙が華麗で繊細なスピンやジャンプを狂わせる。

彼女の美しい演技は「節制」と書き換えられるのかもしれない。

そうして我慢し続けた現役生活が、ようやく、終わった。

こころきなく、ご近所のコンビニプリン、買い占めて下さい。

なんだったら、ぷっちんプリンのCMなんぞ出ちゃって下さい。

お疲れさま、です。

昨日開催された「JAグループ北海道農業経営フォーラム」、

総合司会とパネルディスカッションのコーディネーターを担当したのですが、

パネリストとして参加された今年の日本農業賞・大賞など受賞した

大塚ファームの大塚裕樹さんの言葉が小さなプリンが重なってきました。

「人生の選択には常に二つしかないと思うんです。楽か、辛いかの、二つ。

僕は辛いを選ぶ。辛いことをやりきるなかで、必ず新たな発見があるんです」。

北海道農業の若きエースを支えるのは

アスリートにも通じる強靭な精神でありました。

「辛い」時間があったからこそ、新しい一歩を踏み出せる。

「辛」に「一」足したら「幸い」だもんね~。

金八先生的ではありますが(笑)、

コンビニプリンを美味しそうに食べる村主選手の表情は

戦いすんで「幸せ」をかみしめる安堵感に満ちていて、

それは、悪魔の甘い誘惑に打ち勝った、

そう・・・天使の微笑みでありました。

・・・私は・・・甘いもん断ち・・・無理っ(笑)。

(写真は)

引退した村主選手にもぜひ召し上がっていただきたい。

旅するタルトサンド。

沖縄のフルートタルト専門店「オハコルテ」が

もって手軽に持ち歩けるタルトを作りたいと生まれたお菓子。

自慢のタルト生地でオリジナルクリームと

マンゴー、蜜りんご、レーズンなどドライフルーツをサンド。

まるでフルーツタルトが旅支度を整えたよう。

で、旅するタルトサンド。

冷やして食べると、天国へ行けます(笑)。