秋雨旅情
「未」の一文字に、
ああ、もうそんな季節かと気づかされました。
街なかの書店では来年2015年のカレンダーや手帳が早くも勢ぞろい。
そうかぁ・・・来年の干支は「未」なのね~。
年賀状のイラストにはデザインしやすい動物ではあります。
さらにご近所のスーパーには「寒中見舞い」葉書が入荷、
あはは、いくらなんでも早過ぎない?ハロウィンだってまだなのに、
クリスマスもお正月も吹っ飛ばして寒中見舞いとは(笑)。
さあて、本気で冬支度、そろそろ始めないとね、と観念する秋の朝です。
那覇空港に降り立ったのは9月1日。
暦の上では秋一番の沖縄の陽光はまだまだ夏の眩しさでした。
そんな初秋の沖縄旅リポートを綴っていますが、
ほぼ毎日天候に恵まれた旅の6日目は朝から雨。
この降り方は一日やみそうもない感じ、のんびり過ごすことに決めました。
秋雨の南国お散歩もいとおかし、であります。
朝ごはんをゆっくり、地元新聞をじっくり眺め、コーヒーのおかわりを楽しみ、
さてと・・・おでかけしますか。
まずは朝一番の那覇の街なかへ。
雨の国際通りからアーケードに覆われた市場本通りへ入りましょう。
ビニール傘を手にした観光客で既に賑わっています。
生鮮食料品のお店が集合している牧志公設市場の入り口あたりに大きなバケツが。
年季の入ったアーケードの屋根の一部から雨盛りがしているようで、
ぴしょん、ぴしょん、結構な滴りっぷりを大らかに受け止めています。
近寄ってみるとバケツにはかなりの量の雨水、
きょうの秋雨は本気降り、ですな~。
朝早くから開店中の市場近くのコーヒーショップ
緑の木陰に置かれたオープンエアのテーブルも秋雨に煙って、
まるでバリかジャカルタか・・・熱帯アジアの下町にワープしたみたい。
何度も訪れ、見慣れたはずの風景が秋雨という季節の装置によって
まるで違った異国の風景のように見えてきます。
旅先の雨、けっこう、悪くない。
国際通りからはこの市場本通り、むつみ橋通り、平和通りと
3本のアーケード商店街が平行に並んでいますが、
私のお気に入りは平和通り商店街の奥のゾーン。
ちょうど浮島通りと交差するあたりから地元色が一気に濃くなって
沖縄の素顔の暮らしを感じることができます。
ぷらりぷらぷら・・・目的もなくそぞろ歩くには絶好のエリア。
衣料品や肌着を売る店、マッサージ治療院、古い喫茶店、
乾物屋さんにお茶屋さん、レトロなマッチ箱などが並んだ日用雑貨店の店先には
沖縄独特のお線香「平御香(ひらうこう)」や
ご先祖に備えるお金を模した紙「ウチカビ」が。
観光客向けのお店は一気に影をひそめ、ディープな沖縄を実感できます。
「本土直輸入」。
カーテンや衣料品を売る店の看板に大きく自慢げに書かれた文字に
沖縄が過ごしてきた時代に思いをはせたり・・・。
お、あったあった、「糸州雨合羽店」。
全国にアーケード街はあろうとも「雨合羽」の専門店はそうないでしょう。
小さな間口の店内を埋め尽くすのは文字通り雨合羽と雨傘オンリー。
南国の猛烈なスコール、決まって襲ってくる台風、
半端ない雨が降るこの島で暮らすにはやわな雨具じゃ役に立たない。
そんなニーズが生み出したユニークな専門店、
以前訪れた時は晴天で、お店もひっそりムードでしたが、この本降りの雨、
きょうは主役とばかりに店先に堂々と傘や雨合羽がせり出され、
その足元には、ついでに雨漏り受けのバケツも(笑)。
いいねぇ~、南国秋雨旅情。
「しかし、売れるのかなぁ~」とのんびり眺めていたら、
米軍関係者らしい親子連れが店から出てきました。
二の腕がボンレスハムみたいなたくましいお父さんが2歳くらいの男の子に
黄色のちっちゃな雨合羽を一生懸命着せかけています。
くりくりした巻き毛とコーヒー色の肌に黄色の合羽が良く似合って、
めちゃくちゃ可愛い。
「よ~しよし、これで濡れないぞ」。パパの表情がそう語っています。
雨の妖精みたいな男の子をひょいと抱き上げて遠ざかる親子3人の姿。
「雨合羽店」、立派な需要があるようです。安心安心。
この先もず~っと南国の暮らしに寄りそった商いを続けていくことでしょう。
そして、ああ、きょうはまた格別な風景・・・。
浮島通りと交差する小さな美しい並木道が見えてきました。
雨に打たれるこの緑の並木道は
ハイセンスなショップが点在している知る人ぞ知るお洒落ストリート。
その中の一軒、素敵な器のセレクトショップをのぞいてみましょう。
ご近所に合わせてか、開店時間が早いところも素敵。
都会の朝寝坊ショップとは違う朝型なのが好ましい。
傘をたたんで、そ~っと扉を開けます。
誰かのために
自分のために
絶対、ひとつ、欲しくなるお店のお話は、また明日。
うふふ、素敵なの、みっけ~♪
(写真は)
本ブログ二度目の登場。
雨の日の「糸州雨合羽店」。
ふと、小学1年生の時に買ってもらった
「鉄腕アトム」の黄色い雨合羽がフラッシュバックする(笑)。
どーして「白雪姫」とかじゃなかったんだろう。
せめて「ドナルド」とか・・・(笑)。
きっと、キャラクターよりもわが子が雨に濡れないことの方が
大事だったんだ、多分。
親の気持ち、今ならわかる。



