手の遺産

細川氏が無形文化遺産に。

ん?細川さんって誰?と思ったら「細川紙」のことでした。

島根県の「石州半紙」、岐阜県の「本美濃紙」、そして埼玉の「細川紙」が

「和紙 日本の手漉き和紙技術」として

ユネスコの無形文化遺産に登録される見通しとなりました。

11月にパリで開かれる政府間委員会で正式に判断されます。

和食、和紙ときたら、次は和菓子でしょう!

全国甘党北海道支部代表(注 自称)としては鼻息が荒くなります(笑)。

既に登録されている「日本人の伝統的な食文化」においては

食後の和菓子は大切で印象的クロージングを演出しますし、

四季折々を映し出す和菓子と美しい手漉きの和紙は

これ以上ないお似合いの間柄。

文化庁さん、和菓子も、よろしくね~。

今回の「和紙」登録成功の理由はグループ化だとか。

国内には既に22件の無形文化遺産があって、

「石州半紙」は2009年に既に単独で登録されていて、

同じ分野の文化財の登録が厳しくなっていることから、

登録を目指していた「本美濃紙」を含め、

継続的な保存措置がとられている「細川紙」を合わせた三つを

「和紙」としてひとつのグル‐プにまとめたことが成功の秘密だったようです。

同じ戦略で「秩父祭の屋台行事と神楽」と「高山祭の屋台行事」も

既に登録されている「京都祇園祭の山鉾行事」などと合わせた

合計32件のグループ「山・鉾・屋台行事」として改めて推薦、

2016年に審査されることになっています。

シングルは難しくても、団体で金メダルを目指そうという国家的文化戦略、

集団のパワーで世界を驚かす。

さしづめ、やま・ほこ・やたいだから「YHY32」ってところでしょうか、

こちらの審査結果も今から楽しみなところです。

わが北海道からは1999年にアイヌ古式舞踊が

無形文化遺産として登録されています。

ハワイのフラにも共通する「言葉」を伝える踊りは本当に魅力的。

北海道の大地が育む小豆が作られる和菓子も

世界に誇る美味しい文化遺産なんだけどな~・・・

「無形文化遺産の保護に関する条約」によれば

無形文化遺産とは「口承による伝統、表現、芸能、社会的慣習、

儀式および祭礼行事、自然及び万物に関する知識及び慣習、

伝統工芸技術」とあります。

古来から作物の豊穣を願い、収穫を感謝し、季節を大切に暮らし、

それらの思いを手のひらにおさまる小さな甘い宇宙に表してきた

日本の和菓子は立派な文化遺産だと思うんだけどな~。

それとも既に「日本の食文化」に含まれちゃってるのかな~。

スコットランドばりに和菓子だけ独立宣言してみるか(笑)。

和食、和紙、和菓子・・・

世界が魅了される日本の文化を支えてきたのは

働く日本人の「手」。

骨まで凍るような冷たい水に何度も何度も手漉き作業を繰り返すことで

初めて美しい和紙が生まれます。

一弁一弁芸術品のような花びらや愛らしい小鳥を生み出すのは

熟練の和菓子職人さんの手。

輪ゴムが手首に食い込んだばあちゃんの手。

寝る前に赤く節くれだった手に

そっとハンドクリームを刷りこんでいた母の後ろ姿。

爪の間に機械油が沁み込んだ父さんの黒い指先。

この国を支えてきた、そんな働く人々の手こそ、世界に誇る、文化遺産。

今回の無形文化遺産も冷たい水に晒されて赤くなった、

手漉き職人さんたちの「働く手」にもたらされた勲章とも言えますね。

今日いちにちの仕事に感謝して、

さあ、手を動かそうっと。

(写真は)

ハロウィンの和菓子。

季節の移ろいを表す上生菓子も

ハロウィンやクリスマスはもはや定番モチーフ。

色々な文化を上手に吸収する柔軟さも魅力。

和菓子は今日的文化なのであります。