クリント愛

あのラブソングをスクリーンで聴きながら、号泣しました。

「君の瞳に恋している」。

世界中を魅了した軽やかな名曲の陰にあった悲しい誕生秘話。

涙さえもエネルギーにして生まれた音楽は世代を超えて歌い継がれています。

クリント・イーストウッド監督の最新作「ジャージー・ボーイズ」。

音楽界に不朽の伝説を打ち立てた4人組「フォー・シーズンズ」の

真実の物語を描いたヒューマン・ドラマ、

見逃してはならぬと三連休明けの雨の平日を狙ってシネコンへ。

すいているかと思いきや、劇場内はほぼ満席。

青春をフォー・シーズンズと過ごしたであろうシニア世代が目立ました。

上映中流れる名曲の数々、かすかに後ろの方から一緒に口ずさむ歌声が。

リアルタイム世代、思わずメロディが口からこぼれてしまうのですね。

ビートルズ以前に世界を席捲したグループ「フォー・シーズンス」。

代表曲「シェリー」を皮切りに3曲連続ビルボード1位を記録、

売上レコード枚数1億7000万枚以上、

90年には「ロックの殿堂入り」を果たしたまさに伝説の4人組。

彼らの物語の始まりは1950年代、

犯罪が日常茶飯事のニュージャージーで最も貧しい町でした。

お金もコネもない4人の若者たちは神から与えられた歌声と

曲を作る才能、そして息の合った完璧なハーモニーを武器に一躍スターダムに。

しかし夢のような成功はやがて嫉妬、裏切り、借金を生み出し

やがてグループの崩壊へとつながり、最愛の家族さえ失う悲劇へ。

しかし、彼らの人生はそれで終わりではなかった。

あの名曲「君の瞳に恋してる」は

栄光を味わった彼らを待ち受けていたどん底で生まれた曲だったのです。

私の世代はボーイズ・タウン・ギャングのカヴァーでおなじみですが、

オリジナルが生まれた時代、背景、ドラマを知らされて聴くと、

もう、涙があふれて、あふれて・・・

ラブソングで号泣したのは初めてです。

またしてもクリント・イーストウッド監督にやられてしまいました。

2度のオスカーに輝く名監督が取り上げる作品はテーマ、時代、演出、

毎回違って、どれも毎回してやられますが、

どの作品にも共通するのは人間への深い愛情です。

挫折、失敗、裏切り・・・

そんな人間の弱さ、駄目さ、愚かさも丸ごとひっくるめて

大きな愛で包みこんでスクリーンにぐいっと引っ張り出してくる。

イーストウッド作品は主役だけじゃない、すべての人間に光をあてていて、

だから、観た後に、よし、生きていこうって、誰しもが思える。

映画評では多分取り上げない印象的な場面をひとつ。

メンバーの中で一番地味な一人が後年呟くモノローグ。

途中でグループを脱退し、家族の元へ帰った彼はこう言います。

「なぜ辞めたかって?・・・自分が、リンゴ・スターだったら?」。

そうだ、そうだ、みんながみんな、ジョンやポールじゃないんだ。

世界は主役だけでできてるんじゃない。

キラキラ光るジョンやポール的存在だけで映画を作らないところが

イーストウッド作品の魅力のひとつだと思う。

華やかなポップスターの物語を描きながら

劇場に足を運び、財布の中から料金を払い、スクリーンの前に座る、

そんなすべての人々がどこかで必ず共感を持つことができる映画になっている。

日本限定で特別解禁という豪華なエンドロールは必見、

名優クリストファー・ウォーケンのタップはレア物だし、

若かりし俳優クリント・イーストウッドの映像がチラ見できるのもご愛嬌、

何といっても往年の名曲の完全コピーは脱帽ものであります。

音楽さえあれば、生きられる。

映画さえあれば、生きられる。

愛さえあれば、生きられる。

そんな力が湧いてくる映画でありました。

(写真は)

雨の連休明け、

シネマの秋を満喫。

また明日から初秋の沖縄旅リポート続けますね♪

ってことで、

渡嘉敷島の「シイラカツカレー」であります。

あっさりしたブリって感じかな~。

南国島カレー、美味しゅうございました。