森の迷子カフェ

9月の沖縄で「ちいさな秋」を探す旅。

まずは本島北部を極楽ドライブ、朝一番に那覇を出て沖縄自動車道を一路北へ。

名護のシンボル「ひんぷんガジュマル」、

沖縄で唯一、戦前の姿を今に残す赤瓦の泡盛工場「津嘉山酒造」、

ライトブルーの海の上を一直線、古宇利大橋を渡っての絶景離島ドライブ、

噂の古宇利島「ハートロック」で恋の願掛け(ホンマかい!笑)まで

一気にめぐり、気がつけばお昼をとうにまわっていました。

あー、おなかすいた。

遅いランチは・・・森カフェでやんばるの緑に癒されましょう。

鮮やかなマリンブルーの美ら海に別れを告げて、

本部半島のまんなか、森の中の隠れ家カフェ「ハコニワ」をめざします。

オキナワン・キーウェストのような海の上の一本道「古宇利大橋」を再び通り、

屋我地島を経由して、本部半島に戻り、今帰仁から県道72号線へ。

車窓は一気に滴るような濃い緑、亜熱帯の山道へと変わります。

本島北部は海も山も豊かな沖縄の自然が一度に楽しめるからたまらない。

おっと~、景色に見惚れている場合ではなかった、

半島の真ん中で84号線と交差する分岐点を見逃すと、カフェが遠のく(笑)。

中山交差点をぎゅんと北へV字カーブして84号線を伊豆味へ向かいます。

本部半島を斜めに貫く県道84号線は通称「そば街道」。

沖縄そばの名店や話題の店など、そば店が連なる名物ロードですが、

目的は森カフェ、脇目もふらず、山へ山へ。

しかし、一度で行きつく人は少なそうな

迷子確率が高いことで有名な隠れ家カフェ。

念のため、お店に電話を入れて場所を確認すると

女性スタッフが優しく道案内してくれました。

「84号線で伊豆味までいらしているのですね、

え~っと・・・『よしこそば店』の近くにバス停があって、

そのすぐそばに『ハコニワ』って小さな看板があるので

その小道を入ってらして下さい。もう、すぐ近くですよ」。

ふ~、良かった、やんばるの森の中、空きっ腹で迷子は辛い(笑)。

おっ、あったあった「よしこそば店」、で、あるぞあるぞ、バス停。

「第一イヤガイ」。まるで外国に来たかのようなカタカナ表記。

・・・でも・・・ないぞないぞ、小さな看板なぞ見当たらない・・・(涙)。

あまりに山の中でナビは既に役に立たない。

半泣きで(笑)もう一度、お店に電話を入れると、

さきほどのスタッフが「ああ、申し訳ありません!

もうひとつ先のバス停でした!『第二イヤガイ』ってあるはずです」。

そろそろと車を走らせると・・・、

あったあった、ありました、「第二イヤガイ」のバス停、

で、左手に更に森の奥へ続く小さな道があって、

その脇にそれはそれは可愛い「ハコニワ」と手書きの小さな木の看板が

けなげに道案内していました。

小さな看板をたよりに夏でもひんやりした緑のトンネルへ。

すれ違うのもやっとの細い山道の両側は

のびやかに自由奔放に枝や葉を伸ばす亜熱帯の木々ばかり、

人も家もいっさい見当たりません。

聞こえるのは南国の鳥たちのさえずりだけ。

「本当にこの先にお店があるの?と少し不安になりかけた頃、

森の中にぽつんと佇む可愛い赤瓦の一軒家が姿をあらわしました。

行く道と迷子さえ楽しい大自然の中の宝探しカフェ「ハコニワ」です。

緑のトンネルの先にひっそりと残されていた築70年超の廃墟だった古民家。

沖縄中を巡って「ここだ!」と惚れこんだ女性オーナーが

家主のおばぁに手紙を送り、熱意を伝え、交渉成立して譲りうけた建物。

友人であるスタッフたちとコツコツ手を入れ、

センスあふれる居心地の良いカフェ空間へと模様替えしました。

やっと、見つけた。

ほっとしながら、お店のドアを開けると、

「いらっしゃいませ、迷いませんでしたか?わかりにくくてごめんなさい」。

優しい女性スタッフの笑顔に癒されます。

「ただいま」。

何だか田舎のおばあちゃんちに帰ってきたような懐かしさに包まれます。

それでいて、静かに流れるBGMのジャズ、

沖縄古民家によく手入れされたアメリカン家具がマッチし、

さりげなくレイアウトされた雑貨たち、芳しい珈琲の香りがす・て・き。

ここが噂の森カフェ「ハコニワ」。

素晴らしいロケーションと居心地の良さに口コミで人気が高まり、

ハイシーズンには森の中で渋滞が起きるという伝説さえあるほど。

「お食事が売り切れてしまってできないものもあるんですけど・・・」と

申し訳なさそうにメニューを渡してくれるスタッフに

「いいんですいいんです、できるものでいいんです」と

バゲットサンドイッチをお願いする。

そう・・・食べ物は、できるもので充分なのです。

窓の外に広がる大らかなやんばるの森の風景こそが、

カフェ「ハコニワ」のごちそう。

天然酵母の香りがふわっと鼻腔をくすぐる香ばしいバゲットに

明太子が利いたポテトサラダがよく合います。

カリリッとバゲットサンドを齧り、

冷たいシークワーサージュースで生き返る。

南国の自然もお店の一部である森カフェは

こうして座っているだけでも豊かな自然を肌に感じて、

体の芯から元気が再び元気が湧きあがってくるような気がします。

ちょっと食事をしたり、お茶したり、軽く一杯楽しんだり、

カフェは気軽に飲食を楽しむ空間ですが、

沖縄のカフェは、一味違う。

海であったり、山であったり、森であったり、

亜熱帯の大自然の一部に溶け込んだとっておきのカフェがいっぱいあります。

カフェに行くことが、旅の目的になる。

迷ったり、道を引き返したり、森の中でちょっとどきどきしたり。

そんなアクセスもまた、沖縄カフェの隠し味。

南国の森の中、

せっかくのご褒美バケーションですもの、

ヘンゼルとグレーテル気分で大人も迷子を楽しみませんか。

地図とナビとスマホがあれば大丈夫。

可愛い古民家カフェであなたの青い鳥が

きっと見つかりますよ♪

(写真は)

本部町伊豆味のCafe’「ハコニワ」。

小さな手書きの看板を頼りに

やんばるの森の中、

緑のトンネルをどきどきしながら抜けていきましょう。

赤瓦の古民家の可愛い休息地が待ってます。

ああ、ばあちゃんちの縁側に座ってる気分。