雨の音にぞ
目にはさやかに見えねども
雨の音にぞおどかれぬる。
今日8月7日は立秋。
暦の上では秋になった今朝は
降り続く雨の音で目覚めました。
古今和歌集の有名な歌のように風の音ではありませんが、
連日の暑さも雨で冷まされ、真夏日もひとやすみ、
わずかにひんやりする素足の指先の感覚が
もしかすると「秋来ぬと・・・」の予感なのでしょうか。
69年目の広島原爆の日を迎えた昨日6日。
午前8時から行われた平和記念式典は
1971年以来43年ぶりの雨の中で行われました。
毎年テレビ中継が伝えるその朝の映像は
悲しいほど真っ青な夏空と照りつける太陽が印象的でしたが、
参列者の透明なレインコートや傘に打ちつける今年の雨は
一瞬の閃光と爆発によって失われた余りにも多くの命への
鎮魂と慰霊と今も消えぬ悲しみが絞り出した涙のように見えました。
43年ぶりの広島の雨から明けた翌朝は立秋の雨。
そういえば昨夜は雨がやんだ瞬間に
どこからか虫の鳴く声が聞えました。
チチチチ・・・チチチチ・・・
「やだ、虫鳴いてる、ねえ、もう夏終わり?」
思わず夫に詰め寄る私。
詰め寄られた方も困るだろうが、
かすかな虫の音はさやかに見えない季節の移ろいを知らせているようで
無性に淋しくなった立秋イブの夜でありました。
いやいや、夏は、まだ終わらない。
そうだ、冷蔵庫にゴーヤーが残っていたっけ。
トマトもピーマンもたまねぎもにんにく、生姜もある。
やみくもキッチンにたち、ゴーヤー入り夏野菜カレーを作リ始める。
ターメリック、シナモン、パプリカ、スパイスもちょっと多めに刺激的に。
行く夏に待ったをかけるごとく、
「まだ行かないで」と追いすがるごとく、
いきなり夏野菜カレーを作り始める夏女がひとり。
スパイスの香りとゴーヤーの苦みが魅力の夏野菜カレー。
ピリリと辛く、じんわりと苦く、
まるで一筋縄ではいかない人生のような、
それはそれは「大人のカレー」の味がする。
立秋の朝カレーにはお似合いだ。
(写真は)
ゴーヤーが主役の夏野菜カレー。
夏は立派な北海道産ゴーヤーが手に入ります。
北国育ちの沖縄野菜はちゃんと苦い。
道産ゴーヤーも食べ尽くさなくちゃ。
あせる(笑)。

