笑いと涙と流れる雲と

8月13日の早朝の空。

雲がずいぶんと早いスピードで流れていきます。

やけに急ぎ足の夏の雲のかなたにさっと刷毛ではいたような秋の雲が。

そう言えば、台風が過ぎ去ったとたんに、夜もめっきり過ごしやすくなりました。

高い空の上では静かに季節のバトンリレーが始まっているのでしょうか。

北海道はお盆の朝を迎えています。

大切な人々が彼方の空から戻ってくる盂蘭盆会。

海の向こうからは悲しいニュースが伝わってきました。

アメリカの俳優、ロビン・ウィリアムス氏の突然の死。

自殺と伝えられています。

享年63歳。

俳優としてはこれからさらに円熟味も増していっただろう年代、

人間味あふれる演技をもっともっと観られたはずなのに。

とても残念でなりません。

「大統領から妖精まで演じた名優」。

オバマ大統領もそんな哀悼コメントを寄せていましたが、

「レナードの朝」「グッドウィル・ハンティング」

「グッドモーニング・ベトナム」「ジュマンジ」

「パッチ・アダムス」「いまを生きる」etc・・・、

精神科医、教師、カリスマDJ、探検家などなど

実に様々な役柄を笑いと涙を絶妙にミックスさせて演じてきました。

私も大好きな俳優さんでしたが、

その素晴らしい演技に感動しながらも

映画を見ていてなぜか少しだけ苦しくなるような思いがかすかにありました。

病気の子供たちを癒そうとするパッチ・アダムスの時も、

傷ついた心を抱える天才青年に寄りそう精神科医の時も、

温かい優しい笑顔の向こう側に

どうにも癒しきれない痛みや苦しみを抱えているようで、

そのスクリーンの表情にいつもピエロの悲しみを感じていました。

そう・・・泣きたいのに、笑っている。

来日した時に通訳を務めた戸田奈津子さんが

こんなエピソードを語っています。

「私たちといる時は物静かで優しい人なのに、そこに誰か2~3人入ってくると、

一気にサービス精神満載のトークが始まる。

彼にとって『観客』になるのでしょう」。

名優の心理を偉そうに解説するつもりはありませんが、

何だかちょっとわかるような気がします。

「話を盛り上げなくちゃ」、「相手を楽しませなくちゃ」、

「しんとした間を作ってはいけない」。

お喋りを商売にする職業は、私たちアナウンサーも含めて、

そんな性のようなモノを抱えている場合が少なくないような気がします。

何気ない会話、ちょっとした集まりでもいつのまにか

無意識に『観客』相手のお喋りモードにスイッチが入ってしまう。

自然な会話を心がけ、それと気づかれないように目一杯気を使った後で、

「やり過ぎだったんじゃないか」

「しゃべり過ぎたのでは」「空回りだった?」などなど、

これまた無意識にぐちぐち悔んだり、心の中で一人反省会したり。

ま、めんどくさい奴なんです(笑)。

アルコールや薬物依存症に長く悩まされていたと伝えられる

ロビン・ウィリアアム氏、その死の原因は私にはわかりませんが、

今は天国のロッキングチェアでひと休み、

物静かな自分のリズムでのんびりと揺られているのかもしれません。

大統領から妖精までを演じて全世界の観客たちを楽しませてくれた名優に

心からの感謝と哀悼を。

お盆の空。

早朝の急ぎ足の雲が通り過ぎ、

真っ青な夏空に入道雲が戻ってきました。

ご先祖様の夏のバカンス、

さ、お花とお菓子とリボンナポリンを買って、

父のお墓参りに行ってきます。

(写真は)

夏の新定番デザート、

自家製ココナッツバナナアイスに

お盆になると甘くなる桃とゆで小豆を添えてみた。

大正解!

ココナッツとバナナと小豆と桃のカルテットは

魅惑のベトナムスイーツ「チェー」を彷彿とさせる。

目をつぶれば・・・

アオザイの裾を翻して自転車を走らせる

そんな美少女の映像が瞬間浮かぶ、かも(笑)