おかえりパッツア
「今晩、何食べたい?お刺身&肉じゃが系?それともパスタ系?」
「う~ん、パスタ系・・・そうだ、アクアパッツアがいい!」
昨夜、夏休みで帰省した大学生の息子の夕食リクエストは
肉じゃがでもカレーでもない、お魚系イタリアン。
おふくろの味・2014・夏。
普段は夫と二人、体型維持、健康維持のためにも
質素でつつましい食生活を営んでおりますが、
一人息子のたまの帰郷、
スーパーのお魚売り場でいそいそ品定めする母心が我ながらいじらしい。
小生意気にもメインはアクアパッツア、ときたもんだ。
どれどれ・・・。
「アクアパッツア」は魚介の豊富な南イタリアの郷土料理で
漁師が揺れる船の上で作った料理がルーツとか。
ぐらぐら沸騰したお湯で豪快に調理するところから
アクア=水、パッツア=暴れる、
アクアパッツア=「暴れる水」と呼ばれるようになったと言われています。
ソイやヤナギノマイ、ホッケなど北海道のお魚たちを
このアクアパッツアに仕立てると最高の一皿になるので、
我が家でもパスタの時のメイン料理などによく作っていました。
どれどれ・・・、今日はどんなお魚が入荷しているかな~
尾頭付きの美味しい道産魚があるかな~
・・・あれあれ・・・カツオにサバにタラにブリなどなど
活きのいい切り身はよりどりみどりですが、
一尾まんまの尾頭付きはでっかなアジに解凍サンマくらいかぁ・・・。
サンマは・・・ちょっとキビシイな~と思案する視線の先に燦然と君臨するのは
キング・オブ・尾頭付き、そう立派な愛媛県産の真鯛であります。
鯛かぁ・・・鯛ねぇ・・・鯛だよね・・・、
鯛のアクアパッツアはレストランでも鉄板、最強の具材であります。
1キロ強の大きさは我が家の最大中華鍋ならギリギリ入るサイズ、
しかもお値段はご立派なヴィジュアルからすればリーズナブル、
♪なのに~なぁ~ぜ~歯をくいしばり~君は~迷うのか~店の前で~♪
「若者たち」の替え唄がどこからか聞こえてくる(笑)。
つましい夫婦二人暮らしのお買い物に慣れた身には
「鯛一本即買い」という事実にちょっとドキドキしてしまう。
が、ええ~い、ちまちま切り身でアクアパッツアなど作れるか!と
その店でただ一尾光り輝いていた真鯛を豪快に買っちゃたのでした。
母心はいじらしい(笑)
結果は大正解。
アサリと北海道太平洋特産の白貝も合わせて仕上げた
「おかえりなさい」のアクアパッツァは最高の出来映え、最高の味。
骨付きの鯛と新鮮な貝から出る海の旨さといったら。
キンキンに冷えたカヴァが進む進む、
美味しいスープは焼きたてのバゲットに沁み込ませて、
ああ、幸せ。
鯛の名脇役を務めた真っ白な平たい白貝は
故郷室蘭の市場でもよく見かけた海の幸。
「昔はね、この白貝どっさり入れたカレーライス作ったもんだよ」
祖母である母が久しぶりに帰ってきた孫に懐かしそうに話している。
楽しい会話が弾むごとに大きな鯛はすっかり骨格標本のようになっていた。
思い切って一本買いした甲斐があろうというものだ。
おかえりパッツア。
家族そろって一尾の魚を分け合う幸せをかみしめた、
夏の夜でした。
(写真は)
鯛のアクアパッツァ。ごちそう感あふれるヴィジュアルではないか。
手頃な尾頭付きの白身魚をみかけたら普段からぜひぜひお作り頂きたい♪
オリーブオイルで美味しそうな焦げ目をつけたら、味の出る貝類を投入、
ニンニク、アンチョビ、ミニトマト(ドライトマト)を加え、
白ワインとお水で一気にアクアパッツア=ぐらぐら煮ていくだけ。
生のタイムやイタリアンパセリなどがあればなお本格的、
ケイパーやオリーブを入れても美味しい。
要はイタリアの漁師さんの海の幸の水炊きです。
簡単なのに、みんな大好きお魚イタリアン。
息子にとっては、これも、おふくろの味、なのね。

