向田ピーマン

夏だ、野菜がうまい。

夫の知り合いの農家さんから
夏野菜がどっさり届きました。
丸々と肉厚のピーマンに色白ピーマン、
すくすく育った青紫蘇、柔らかいインゲン。
さあ、どうお料理してあげましょうか。
この夏、我が家にまたひとつ新定番が加わりました。
名づけて「向田ピーマン」。

料理は生き方。
暮らしを慈しむライフスタイルが
今なお熱い支持を集める向田邦子さんの
「いつものおかず」であります。
艶々のピーマンを前に書棚から手にとった一冊の本は
名随筆家であり名料理人の唯一の料理書、
「向田邦子の手料理」(講談社)。
季節の食材をシンプルに手なづけたおかずの傑作のなかに、
ありました、ありました、向田式ピーマンレシピ。

料理名はいたって普通、「ピーマンの焼き浸し」。
しかしその美味しさと言ったら尋常ではありません。
ピーマンを二つ割りにしてへたと種をとって、
焼き網でしんなりするまで焼き、
横せん切りにしてだし醤油と削り節で和えて、
食べる直前にもみ海苔を散らすだけ。
早速、魚焼きグリルでピーマンを焼き、
レシピ通りにささっとお料理。
冷え冷え缶ビールを開けてさあ乾杯!

う・・・旨い。
旨すぎます、向田さん。
どこかで感動したこの味、この香ばしさ。
あれは・・・そうだ、夏の京都だ。
祇園囃子が聞える料理屋さんでいただいた万願寺唐辛子の焼き浸しだ。
北海道の元気なピーマンも調理次第で京野菜になる。
向田さん、天才だ。

レシピに添えた文章には
「ピーマンはゆでるより、炒めるより、
 焼くのがいちばん早い」と書かれてましたが、
「焼くのがいちばん旨い」と追記しておきましょう。
ピーマン嫌いのお子がいたら、
焼きピーマンにしてあげると恋に落ちるかもしれない。

ピーマンの焼き浸し(万願寺唐辛子もどき)、
おじゃこや桜海老や油揚げをあぶって加えても絶対旨い。
向田ピーマン、
我が家の夏の定番、確定です。
夏だ、ピーマンだ。

(写真は)
調理時間10分。
おすすめ夏レシピ「向田ピーマン」。
めんつゆで更に時短する手もあり。
夏の晩酌しながらでもぱぱっと作れちゃう。
向田さん、ありがとう。