凛凛と

朝から立派に暑い。

昨日に続いて札幌も真夏日になるのでしょうか。

「お~、見ているだけで涼しい」。

真っ青な大波をかいくぐるサーファーの写真に目が吸い寄せられます。

サーフィンの聖地、ハワイ・オアフ島のノースショアのビッグウェーブ。

作家の沢木耕太郎氏はこの風景を眺めて思った。

「こういう波に乗れるような経験を

若いときに積んでおきたかったな」。

ある雑誌の写真エッセイに綴られていたこの感情、

「もう若くない」とか「もう無理」みたいな単純なあきらめとは違う。

人生いつだって、どんなことだって、

やってできないことはないと思っているような自分だけど、

ノースショアーのこんなビッグウェーブだけは

もう絶対乗れないと思う、というようなことを氏は書いていた。

高層ビルのように立ちはだかる大波に体一つで立ち向かっていく若者たち。

自分もあんな経験をしておきたかったと思う。

それは、きっと、「潔い憧れ」。

ピアノの音にあわせて少女たちが高々と足を上げる。

バレエ教室のバーレッスン風景を何かで目にするたびに

私も似たような感情を覚える。

「こういうレッスンを子供のころに積んでおけば良かったな」。

筋肉や関節組織や頭やメンタルがもっともっと柔らかい子供時代に

バレエストレッチなんぞを経験していたら、

内転筋がピキッ!なんて肉離れの恐怖なんかにおびえることなく

両足は180度開き、楽々と開脚前屈やらなんやらできていたことだろう。

ジムでストレッチに励むたびに

心の中でバレエ教室の子供たちに「潔い憧れ」を感じるのだ。

そんな女性たちを対象に「大人のバレエ」教室やレッスンも盛んにあります。

人生いつからだってスタートはできる。

憧れのアラベスクだって、コツコツ努力を続ければ不可能ではないでしょう。

自分自身も地道なトレーニングの効果で

「体カタイ人生」マックスに体は柔軟になりつつあります。

大人だって、変われる。

その実感がある一方で、

怖い物なしのゴムまりのような少女たちの動きに「潔い憧れ」を感じる。

それはあきらめとは違う、もっと潔い羨ましさ。

ノースショアーのビッグウェーブに乗る若きサーファー。

180度開脚、完璧なY字バランスも朝飯前のバレリーナ。

生まれ変わらなければ無理な姿に潔く憧れる。

それだけ「あきらめていない」ってことで、

それだけ「貪欲」ってことでもあるんじゃないだろうか。

人生がもう一度あれば、

3歳からバレエを習いたい、とちょっと本気で思うのだ。

凛とした美人を作るのは

バレリーナのような美しい「首とアゴ」。

美容ジャーナリストの斎藤薫さんはエッセイにでそう書いていました。

レッスンで日々鍛え抜かれた彼女たちの姿勢はもちろんのこと、

しなやかで研ぎ澄まされた首とアゴのラインが

女らしさ、品格、透明感、そして凛とした生き方さえ現われる

美しい姿を形作っているというのです。

また女優の条件のひとつは「アゴの下に手の甲がすっぽりおさまること」だとか。

もったりした下アゴと手の甲が密着するようでは女優失格?

そうだった。

映画「リトルダンサー」でも少年をレッスンする女性教師が叫んでいたっけ。

「もっと首を伸ばして!肩は下げて!首を伸ばして!」。

美しい首とアゴのラインを作るためには肩を下げる。

そうか、背中や肩甲骨周りの筋肉をうまく使うってことか。

なるほどなるほど、理論はよ~くわかってきたぞ(笑)。

小さなバレリーナに生まれ変わることはできないけど、

凛凛と美人に近づく理論はわかるお年頃だ。

潔い憧れを糧に、

さあ、ちょっくらストレッチしますか。

(写真は)

開脚前屈、理論的には、こうなりたい。

演技はファイターズマスコットBB君。

さすが、ぬいぐるみ、柔らかいね~。