天井桟敷の前に
昨夜の札幌ドームは「仕事人ナイト」。
コンサドーレ札幌VS愛媛FCの試合は19時キックオフのナイトゲーム、
仕事を終えて応援に駆け付けようという趣向で
名刺か保険証など「仕事人」を証明するものを提示すれば
SB自由席が1500円というお得価格で観戦できる夜でした。
・・・が、試合結果は0-1の完封負け・・・。
夜9時過ぎ、戦いすんで夜も更けて、ドームから地下鉄駅までの道のりは
いつもよりずいぶんと遠く、初夏の夜風が身に沁みたなぁ(涙)。
次の試合は頼んだよ、勝ってよ。コンサ赤黒の仕事人たちよ。
思いがけず残念な夜もあれば、思いがけず幸運な夜も。
皐月の江戸散歩、つかのまの「銀ブラ」は
「天井桟敷の夜」で幸せな締めくくりとなりました。
「銀ブラ」発祥の店「パウリスタ」でコーヒーを楽しみ、
「銀座夏野」で小さな小さな裏干支の「おみや」を買い求め、
暮ゆく西の空を背に銀座4丁目の交差点から晴海通りを東銀座方面へ。
向かうは新開場1周年を迎えた歌舞伎座です。
茜色の空にすっくとそびえ立つ歌舞伎座タワー。
隅研吾氏の設計による四度目のお色直しとなった第五期歌舞伎座は
正面には唐破風や櫓など荘厳で美しい桃山様式を踏襲しつつ
背後には現代建築の粋を結集したビルディングが見事に調和しています。
伝統の意匠と現代の技術が見事に融合したこの新歌舞伎座は
歌舞伎を観ずともその内・外観を眺めるだけも価値のある伝統芸能の殿堂。
連休真っ只中の歌舞伎座前は満員御礼、
「Oh、KABU~KI~♪」
華やかな建物の前でポーズを決めて写真を撮る外国人観光客、
名物クリームパン「隈取りキューブ」目当ての女性客に、
「え~、なんかぁ、超カッコいい!」とその場でLINEする若い女の子、
そう、確かに歌舞伎を観なくても歌舞伎座は超楽しい・・・けれども、
歌舞伎を観れば、もっともっと100倍楽しめる。
しかもローコストで。
足の向くまま気の向くまま、ぶらり散歩で訪れた歌舞伎座。
前もって計画を立て、プラチナチケットを予約、なんてことはもちろんなし。
桟敷席の美しく着飾ったお着物姿の御婦人たちとは世界が違う(笑)けれども、
着の身着のまま白デニム姿の「銀ブラ」ついででも歌舞伎は楽しめるのですよ。
そう、以前もご紹介した歌舞伎座独特の当日券システム「幕見席」。
通しではなく一演目ごとに、4階構造の最上階の席のチケットが、
予約なしで、開演前に劇場窓口に並んで買うことができるのです。
しかもお値段は1300~1500円前後と超お買い得価格。
しかし、きらびやかな看板を冷静に観れば、何とこの日の歌舞伎座は
「団菊祭五月大歌舞伎 十二世市川団十郎一年祭」の三日目。
惜しまれつつ世を去った団十郎を偲ぶ超人気演目が目白押し、
息子海老蔵はじめ菊之助などなど
当代の人気役者が次から次へと出るではありませんか。
まったく下調べなしでふらりと訪れた「銀ブラ」客は
その綺羅星のような演目や役者の名前に腰が抜けそう(笑)。
いくら何でも、今から幕見席、取れるわけないよね~。
いやいや、これこそ、ダメでもともと、
不思議と誰も並んでいない「一幕見席」の窓口でとりあえず聞いてみる。
「あの~、これから観られるチケットなんて、ありますか?」
「はい、最終演目の春興鏡獅子でしたら、ご用意できますよ、
ただ立ち見になってしまいますけど」。
やった~!あの勇壮な「毛振り」が生で観られるんだ~!
しか~し、立ち見・・・か。
50代女子(笑)体力と気力と好奇心が交錯する、
が、折角の機会ではないか、団菊祭だ。
一瞬の間をおいて「では、一枚下さい」。
「はい、おひとりさま1300円です。
開演前の7時10分には劇場までお越しくださいね。
それまではお買いものやお食事などお楽しみ下さい」。
時計を観れば一時間はたっぷり「東銀座ぶらり」ができるぞ。
予定を立てないぶらり散歩は、これだからやめられない。
さあて、菊之助丞にお目もじかなうまで何をして過ごそうか。
何とはなしにとりあえず本日の演目を看板で確認する。
お~、何て惜しい。
もう少し早く劇場に到着していれば、
最終演目の一つ前、夜の部二番目の演目は「極付 幡随長兵衛」
もちろん、主役の幡随院長兵衛役は海老蔵。
やんちゃな侠客ぶり、観たかったかな~、
「江戸の町奴と旗本の姿を描いた黙阿弥の名作」って歌舞伎座HPに書いてある。
う~ん、返す返すも残念ですが、
だからこそ、今度はきちんと「歌舞伎旅」を計画しようと
次への夢も広がるということで。
さてさて地下の一大ショップ「木挽町広場」で
歌舞伎座仕様の「銀座鹿乃子」や
隈取り絵葉書など買ってもまだ時間がある。
銀座で歌舞伎の幕が開くのを待つ時間にふさわしい過ごし方は・・・
そうだ、「元祖あんみつ」だ。
万人に平安をもたらすといわれる歌舞伎座の座紋
「鳳凰丸」が印された掛け幕を後に
一人いそいそと「若松」に向かうのでありました。
歌舞伎座前の顛末だけで
本日は時間となりました(笑)
元祖あんみつのお味と
菊乃助丞の美しさは
また後日。
(写真は)
明治22年(1889年)に誕生した伝統芸能「歌舞伎」専門劇場。
歌舞伎座の前にて。
関東大震災、第二次世界大戦の空襲にも見舞われながら
4度の建て替えを経て、装いも新たに去年春に開場。
平成のお色直しは
伝統と現代が融合した最高にハイセンスな建物。
いつか白デニムから季節のお召しものにお色直しして
桟敷席あたりで歌舞伎見物と洒落こみたいものだ。
ま、今回はそのロケハンってことで(笑)

