やさしい朝

今日は朝からどんより曇り空、そしてしとしと皐月雨。

しかし、心は晴れ晴れ。

「やった~、きょうは白樺花粉攻撃に悩まされずにすむぞ~」。

札幌は連日の花粉マックス日和で鼻はむずむず、目はかゆかゆ、

皮膚のバリア機能も低下しているのか、お肌もぼろぼろ、おまけにあちこち痒い。

「もう、五月なんて大嫌いだー」と

ティッシュボックス片手に逆恨みする毎日からようやく解放(笑)。

ほっとのんびり江戸下町散歩の続きと参りましょう。

100万人に喜ばれる浅草土産があります。

しかもおひとつ300円そこそこの嬉しいお手頃価格でかさばらない。

そして一度使えばやみつきになること間違いなし。

「かなや刷子(ぶらし)」の「馬毛歯ブラシ」であります。

昼飲み聖地の「ホッピー通り」に交差する伝法院通りは

いなせなお兄さんが牽く人力車がお似合いの

江戸の街並みを再現した風情ある絶好の撮影スポット。

この通りにこれまた江戸情緒あふれる佇まいで店を構えるのが

大正3年(1913年)創業のブラシの専門店「かなや刷子」です。

小さな店内にはありとあらゆるブラシや刷毛がぎっしり。

上質な天然毛を使ったかなや刷子の製品は

用途、素材、種類ともに豊富でプロ・アマ共に根強いファンが多く、

中でもダントツ人気のアイテムが「馬毛の歯ブラシ」なのです。

「ああ・・・じいちゃんが昔使っていたかも・・・」なんて

ノスタルジックな郷愁にかられるシンプルな白い持ち手に

濃茶色した天然の馬毛が整然とお行儀よく植えられています。

使った記憶もないのに(笑)思わず「懐かしい~」と手にとると、

「一度使うと、やめられませんよ~」とお店のおばちゃんがにんまり。

「あのね、ナイロンの歯ブラシはどうしても刺激が強くて

使っていくうちに広がってしまうでしょ。

それに比べて、天然毛の歯ブラシは水に強くでコシもあって広がりにくいの、

で、歯や歯ぐきにも優しくて、丈夫で長持ち、うちの一番人気」。

滑らかな江戸弁で歌うようなおばちゃんの口上に、

魔法にかかったように3本握りしめている自分がいました(笑)

「ハイ、小3本組のお値段になりますから860円ね」。

やった、単品で買うよりお買い得。

1本300円に満たない極上土産をゲットです。

その使い心地から「100万人の歯ブラシ」との異名もとる

「かなや刷子」の「馬毛歯ブラシ」。

使い方によっては3カ月から半年持つそうで、

サイズや毛の硬さも3つのタイプから選べます。

普段は超コンパクトヘッドを使用しているので

一番小さな小サイズでも、私のおちょぼ口(笑)にはやや余りますが、

帰宅して早速使ってみると、これがなかなかよろしいのですよ。

サイズの大きさはそのうち慣れるとして、

歯に当る優しさ、それでいて歯と歯の間にもすんなり毛先が自然に入り、

その磨き心地の良さにちょっととりこになりそうです。

磨き終わった後の歯のつるつるっぷりも大層気持ち良い。

歯ブラシを変えただけでやさしい朝がやってくる。

これは、私も、100万人の1人に仲間入りであります。

江戸の職人の手仕事に欠かせない糊刷毛やペンキ刷毛、

江戸小町の美しいお肌を磨いてきたさまざまな化粧筆、

小さなお店のなかにはこの街の美を支えてきた縁の下の道具たちが

「えっへん!」とそれぞれ誇り高く並んでいました。

ハート型した豚毛のネイルブラシや

柔らかなヤギの毛を使った洗顔用フェイスブラシ、

パソコンのキーボードのお掃除用にチョコットブラシなどなど

時代のニーズに応えるアイテムもいっぱい見つかります。

伝法院通り「かなや刷子」のご近所には

かき揚げが絶品の「中清」や胡麻油の香りも力強い「大黒家天麩羅」など

誘惑たちがたい老舗が並んでいて、

胃袋が三つも四つもあったらな~と

意外にちんまりした我が胃袋をうらめしく思いながら

夕暮れ迫りなお賑やかな仲見世通りへ向けて歩きだします。

そうだ、駅前の「亀十」にも寄らなくては。

まだ残っているかな~、ふわっふわの、あのどら焼き・・・。

皐月の江戸散歩。

エア胃袋と好奇心は、無尽蔵。

ぶらりぶらぶら。

お次はどこを覗きましょうか。

(写真は)

100万人に愛される「かなや刷子」の「馬毛歯ブラシ」。

背筋真っ直ぐな白い持ち手が郷愁をそそる。

缶入りの歯磨き粉がお似合いだ。

やさしい朝の必須アイテム。