春の靴音

今年の春はどれだけのんびりやさんなのか、

北海道は連日の低い気温にぶるぶるの穀雨イブであります。

今朝の沖縄との気温差は20℃、

日中の最高気温は一ケタ台、

お散歩に行く気も失せる寒い春であります。

ああ、早く春の靴音鳴らして歩きた~い。

コツコツ、ぽくぽく。

ハイヒールがアスファルトを楽器にして奏でるあの音。

長い冬を耐えてきた北国の女子はことのほか心が浮き立ちます。

運動靴やぺったんこの学生靴では絶対あの軽やかな音は鳴らない。

ハイヒールは女性にとって大人へのパスポート。

朝の情報番組がちょっと気になる調査をしていました。

「あなたのハイヒールデビューはいつですか?」

東京の街ゆく若い女性たちに聞いてみたところ、

平均14歳、中学2年生という結果でした。

へ~、今の人たちは(おばはんくさい言い方だなあ~笑)

ずいぶんと早くハイヒールデビューするのですね~。

私の世代だと中学、高校、少なくとも制服を着ている間は

まずハイヒールを履くことなど皆無だったような気がします。

大体、メイクもしていなかったもんね。素朴なもんだ。

で、う~んと・・・いつだったかな~?ハイヒールデビューは。

これが・・・思い出せない。

多分、大学時代と思われるのですが、

いわゆるハイヒールのパンプスでコツコツ歩いたのは

社会人になってから、入社式あたりでしょうか。

どうして記念すべきデビューを覚えていないのだろう。

あんなに憧れていた、大好きだったハイヒールなのに。

「ぽくぽくする靴にして、ねえ、ぽくぽく鳴る靴はいて」。

残雪も解けて、ほこりっぽい春の道が姿を表す頃、

デパートか姉の小学校の授業参観か、

母のおでかけにくっついていく幼い私は

玄関の靴箱の前で食い下がったものでした。

道路のすべてが舗装されてもいなかった昭和の時代、

足元の悪さも気にして普段の靴を手に取った母に

私はどうしても「ぽくぽく鳴る靴」を履いて欲しかったのだ。

ストッキングを履いた足を華奢に包みこむつま先、

折れそうでいて気位の高そうなとがったヒール、

一歩踏み出すたびに、ぽくぽく、ぽくぽく、軽やかなリズムを奏でる魔法の靴。

いつもの母が、ちょっとよその女の人に見える。

何だか不思議で、何だか誇らしかった。

ハイヒールは「母親」を「レディー」に変えるシンデレラの靴だった。

だから、たまの「おでかけ」は、

絶対「ぽくぽく鳴る靴」でなければいけなかったのだ。

♪おててつないで野道をゆけば・・・

・・・晴れたみ空に 靴が鳴る♪

童謡「靴が鳴る」は牧歌的な大正の春の情景が歌われていますが、

高度成長期の鉄の町にやってきたちょっと埃っぽい春の匂い、

重い冬靴を脱ぎすてて薄いストッキングとハイヒールで闊歩する嬉しさ、

早く自分も大人になって「ぽくぽく鳴る靴」履くんだと背伸びする幼心、

そんな個人的な原風景とぴったり重なってきます。

そうか、今の女の子は平均14歳でハイヒールを履くのかぁ。

早く大人になりたい女心は今の時代も変わらない。

でもあまり早すぎるハイヒールデビューは

外反母趾やら何やら美しい足にちょっと負担かけちゃうかも。

長年ハイヒールに耐えた我が足からのおせっかいな忠告であります(笑)。

(写真は)

春のモチーフが愛らしいクッキー。

先週のウェディング、引き出物は素敵な焼き菓子セット。

花畑に春の小鳥に赤い水玉が

美しいアイシングで描かれています。

お~っと、たった今、「愛シング」と誤変換されました。

何て粋な変換ミス(笑)

寿ぐ記念品には「愛シングクッキー」の方がふさわしい。