春と襟足

和菓子屋さんの店先に「おはぎ」が並んでいる。

マンションの通用口の雪が減って通れるようになった。

花屋さんにミモザの花が入荷していた。

女たちの襟足がすっきりと短くなってきた。

ああ、春が近いんだ。

お彼岸の週が始まりました。

雪も朝の寒さもまだまだ残っていますが、

小さな春をあちらこちらでキャッチできます。

週明け月曜日、

髪を切った女性たちを見かけたることも少なくないはず。

冬の終わりを予感すると、私たちは美容院の予約をとりたくなる。

女性の美しい襟足、うなじから春はやってきます。

春と襟足の関係を証明するかのように

この週末、いつもの美容室も予約がいっぱい、

ようやく日曜日の夕方にもぐりこませてもらいました。

そうだったそうだった、卒業、卒園シーズン真っただ中ですものね。

小さな紳士淑女のお客さんもいっぱいでしたよ~と

スタッフが楽しげに教えてくれました。

春が近いから?

鏡の前に座ると、どうも、この1カ月、いつもより髪の伸びが目立つ。

「春のせいかもしれませんよ~、

最近、髪がよく伸びるってお客さま、結構、いらっしゃいますもの」

そんなスタッフの証言を受けて、ついつい勢いがついてしまった。

「え~っと、短くしちゃって、春だから」。

「ハイッ♪♪」

美容師さんという種族は「短く」というお客さんのリクエストが大好物(笑)、

春風のように軽やかにシザースが動く。

・・・けっこう、切り過ぎました・・・。

美容室の鏡の前では、春風の魔法のせいなのか、あまり自覚はなかったのですが、

「ただいま~」と家に帰り、リビングに入ったとたんに

パソコン前から振り向いた夫がにんまり一言、

「お、可愛くなったね」。

(可愛い?可愛いって、それって、それって)

「え?切り過ぎた?ねえ?切り過ぎた?」

あたふたと洗面所の鏡に向かう。

小学生みたいにすっきり襟足も涼しくなった妙齢の女が

心細そうな顔で映っている。

ああ、いい気になって切り過ぎた。

週明け、月曜日。

春待ち気分に「おだって」、髪を切り過ぎた

(もしくは切り過ぎたと思いこんでいる)女性に出会う確率は低くはありません。

どうか彼女たちへの取り扱いは慎重に。

「お、ずいぶん切ったね~」とか

「あれ?何かあった?」とか

単体の「可愛くなったね」はご法度。

「いいね、春らしくて」とか

「すっきり、軽やかだね」とか

「オトナ可愛いね」くらいのテクは使って頂きたい。

春と襟足の関係はとても微妙なバランス。

この季節、美容院帰りの女性にはご注意を。

トリセツを熟読してからご対応下さいまし(笑)。

ねえ?

やっぱり、

切り過ぎた?

しつこい(笑)

(写真は)

お名残り惜しくて、まだ仕舞っていない

うちの豆雛さんたち。

ま、娘もいないし、

私も嫁入りの予定はないし(笑)

お彼岸くらいまで、もう少しだけご逗留願おうかと。

お雛さまぁ、ねえ、やっぱり髪、切り過ぎた?