一人立ち
オレンジにイエロー、グリーン、
元気なビタミンカラーがあふれるキッチングッズ売り場は
通り過ぎるつもりが、つい足を止め、ひとつひとつ手に取ってみたりします。
これ可愛い、これ便利、あら?これは面白い。
ネーミングがふるっています。
「一人立ち」。
炊飯器やおひつからからご飯をよそう「しゃもじ」は使用後が悩ましい。
ご飯粒がついたしゃもじの置き場に困ってしまうのは毎度のこと。
あわてて小皿に載せたり、
急いでいる朝はシンクの洗い桶に直行、なんてこともあったりなかったり(笑)
この「一人立ち」君はエライ。
柄の部分が太く、握りやすく、重く、作られているので、
ご飯をよそった後、ちゃんと自分で立つのであります。便利でしかも衛生的。
一人立ちする自立型しゃもじ。
春から一人暮らしをはじめる若者にはなむけに贈りたいグッズであります。
一人立ちとは、一人でちゃんと食べること。
親から離れての学生の一人暮らしも経済的な自立はまだですが、
春から基本的に一人でご飯を食べるのだから、プチ一人立ち。
息子の時も進学先へ引っ越しするまでのわずかな日数で
最低限、生命を維持できる(笑)3品くらいのメニューを伝授したものです。
「野菜たっぷりの煮込みうどん」「簡単カルボナーラ」
「親子丼~他人丼~牛丼三変化」などなど。
引っ越し先の小さな一口コンロでも作れそうな一人ご飯ばかり。
台所に並んで必死に教えながらも
「ホントに作るんだかどうだか」半信半疑はぬぐえない。
「まあ、できる時はちゃんと作りなさいね」。
「ちゃんと食べているの」。
離れて暮らす親の心配は、この一言に尽きるものですが、
息子という動物は、手離したら、大体それっきりの音信不通。
友人とのラインは寝ぼけてても返信するくせに
親からの安否確認メールは、年中「既読スルー」。
そんなだから、たまに電話が来ると、心臓がどきどきする。
「何?お金?怪我?病気?」ろくなことが思い浮かばない(笑)。
先日も滅多にない電話が鳴った。
「何?」と恐る恐る出ると、
「あのさぁ~、煮込みうどんって、具を先に入れるんだっけ~?」と
のんびりした声で平和な質問。
試験が終わって、時間ができたから、今日は自炊することにしたらしい。
いつにない優しい声で、丁寧に教える母(笑)。
出来の悪い生徒を持った先生の気持ちがよくわかる。
いつも居眠りばかりしていた生徒が、放課後いきなり質問に来たような嬉しさ。
おお、ようやく目覚めたか。
子供は新型おしゃもじみたいに簡単にすっくと一人立ちしない。
自分が若者だった時を考えれば納得だ。
ご飯つぶをくっつけたまま、不格好におろおろと居場所を探すのだ。
「ほら、ここに置きなさい」と小皿や小鉢を差し出してくれる親はそばにいない。
困ったり、失敗したり、小さな成功で自信をつけたり、
しょぼい一口コンロで悪戦苦闘しながら、
いつのまにか、少しずつ、一人立ちしゃもじになっていくんだ。
親とは、待つ生き物。
子供とは、待たせる生き物、なんだな。
春、子供が巣立つ淋しさにくれる親御さんもたくさんおられるでしょう。
引っ越し荷物に「一人立ちしゃもじ」でも入れて
まあ、待つ時間を楽しもうではありませんか。
旅立ちは、
嬉しい再会の第一歩。
(写真は)
苺のメレンゲも春らしいスイーツセレクション。
UHB加藤寛アナからバースデー&ホワイトデープレゼントに
頂いちゃいました。
焼き菓子フェチの私、
おやつの時間が待ちきれないきょうこの頃であります。
苺のメレンゲは・・・最後にとっておこう♪

