美味しいことば

やはり、妻が握るべきは財布のひもと夫の胃袋。

浮気夫もカレーには弱いらしい(笑)

悠太郎さんが家に帰ってきました。

め以子の牛すじカレーの味が忘れられなくて。

好評の朝の連ドラ「ごちそうさん」。

とはいえ毎朝連続して見てはいないのですが、

たまたま見かけた再放送(再々放送?)の回も確かに面白かった。

忘れられない心の恋人らしき女性の名前を寝言で呟いてしまった夫。

悠太郎さんは仕事はできるのに、こうした脇は甘すぎる(笑)。

キレため以子に追い出されたが、その女性のカレーを食べた時に気づく。

美味しいけれど、このカレーじゃない・・・。

「僕は、あなたのカレーでないと、あかんのです」。

おめおめとこう訴えて、妻の元に戻る夫。

いや、正確には、妻のカレーの元に戻ったのでありました(笑)。

前作「あまちゃん」に負けずに国民的人気の「ごちそうさん」。

痛快なほどの小姑の嫁いびり、夫の浮気を味で封じる妻。

どろどろ、じめっとしがちな古典的な直球エピソードを

からっと明るく描くあたりも人気の理由かもしれません。

「あなたのカレーでないと、あかんのです」と浮気夫は出戻り、

次の場面は家族そろって和気あいあいとカレーを囲み、

くだんの夫が満面の笑みで空のお皿を割烹着姿の妻に差し出す。

「おかわりっ!」

ああ、失われたニッポンの食卓がここにある(笑)。

大家族で囲む食卓も、割烹着姿の妻も、着物で夕食をとる夫も

インスタントルーを使わず作るカレーも

もはやドラマの中でしかお目にかかれない「古典」。

そして、最近めっきり聞かなくなった言葉が「おかわり」。

ダイエットだ、メタボ予防だ、糖質カットだ、炭水化物は敵だ?

カロリーコントロールが常識となった現代の食卓では、

とんと聞かれなくなった美味しい言葉です。

ご飯の「おかわり」なんて、ここしばらくしていなかったりしませんか?

「昔はどんぶり飯をたらふく食べていたけれど、健康診断でひっかかってさ」

「夜のご飯は我慢我慢のダイエット中、だってウェストやばい~」

「う~ん、あんまり腹へってない、運動してねーし」

夫も妻も子供もそれぞれの事情を抱え、

結果、食卓から「おかわり」が聞こえなくなっているような気がします。

「母さん、おかわりっ!」「ほら、おかわりは?」

美味しい言葉の行ったり来たりは、

そのうちドラマの中だけの虚構になってしまうのか。

食にまつわる言葉は温かくて美しい。

「いただきます」「たんと召し上がれ」「おかわり」そして「ごちそうさん」。

ちゃんと食べているか。お腹をすかせていないか。食べ物は足りているか。

美味しいよ、もっと食べたいよ。美味しかったよ、ありがとう。

人が人を思いやる気持ちが音と形になった美味しい言葉たち。

これらもまた、未来に残したい美しい言葉たちであります。

犬も食わない夫婦喧嘩の仲直りには、「おかわり」、

美味しいことばが効くかもしれません(笑)

喧嘩するほど仲が良いということで、

はい、ごちそうさん。

(写真は)

冬ならではの沖縄おそうざい

「山芋のチャンプルー」

沖縄の山芋はうっすら紅色でほくほく。

あまりの美味しさに「おかわり」したくなる。

南国の冬もそれなりに寒い。

南の根菜で冬を乗り切る。