猫のあしあと

厳寒の三連休明け。

札幌の最高気温は昨日より3度高いものの、氷点下3度。

夜明け前のベランダは風も強く、一瞬で凍りそう。

氷点下の季節はまだまだ続きます。

おお・・・温かいお茶の一杯の嬉しいこと嬉しいこと。

我が家の長年の懸案事項がようやく解決をみました。

お茶関係の難題、それは「急須」。

心までほっと温めてくれる一杯のお茶にはマストアイテムですが、

愛用してきた北海道の作家物のそれはどちらかといえばティーポットタイプ。

細かい茶葉がいささか苦手でどうも上手く淹れられない。

もうひとつ気に入った急須が見つからないかとず~っと探していました。

そして、とうとう、出会いました。

これが我が家の茶箪笥(死語?)の「10番」です。(最後の写真をご覧下さい)

ころんと丸っこいキュートなフォルム。

ぽってりした胴回りには上品な象嵌細工が施されています。

読谷村の島袋常秀さんの工房ギャラリーで出会いました。

一目惚れ。

その「足」に首ったけ。

何とも愛らしい3本の猫足がころん体型の急須を支えています。

ふくよかな胴体に比べて華奢な足元、

この計算されたアンバランスが素敵。

「ウチに来る?子猫ちゃん♪」

誘惑したはいいものの、ひとつ問題が。

実は急須は陶器の中でも造形が難しく、特に注ぎ口の仕上げはデリケート。

見た目は完璧でも、実際にお茶を注いで見ると、お湯切れが悪く、

テーブルにたらたらお湯が滴る・・・なんて悲しい事態が起こったりします。

実際、半年ほど前に「これだ!」と一目惚れした急須がそうでした。

猫足急須を抱きしめながら、恐る恐るお店のスタッフに事情を話してみると、

「そうですよね、そうですよね、急須って微妙ですものね、

お水、入れてみましょう、試してみましょう」と快く「試運転」してくれました。

さすが、窯元の工房ギャラリー。

カウンターの向こうに小さな蛇口とシンクが据え付けてあって、

猫足急須にお水を入れて、湯呑茶碗に何度も注いで「滴り」実験。

「同じ急須がいくつかありますから、全部試してみて、

お気に召したのを選んでくださいね」と、

兄弟の子猫ちゃんをいくつか出してきて下さる念の入れよう。

陶器は生き物。

兄弟でも体型や佇まいが微妙に違い、これもまた興味深い。

何度かの試運転ののち、

「キミが一番ね」。

お湯の切れも良く、姿かたちも大らかな、子猫急須を1匹、

いや、ひとつを選んで、

他の器と一緒に札幌まで送ってもらうことにしたのでした。

こうして冬の旅をして数日遅れで届いたのが

我が家のエースナンバー「10番」、猫足急須であります。

急須は器の中でも人格を強く感じます。

注ぎ口はお喋りしそうな口に見えるし、持ち手はカチューシャのようだし、

ウチの子猫ちゃんは足までちゃんとついています。

「美女と野獣」の人気キャラクター、

「ミセスポット」が生まれたわけがよくわかります。

これから長いお付き合いをよろしくね。

我が家のアンティークテーブルは別に高級品ではないのですが、

現代的な仕上げではないので、熱や水分にめっぽう弱く、

カップを置くときも、コースターが欠かせないのですが、

猫足ちゃんは、接地面積が小さいので、ポット敷きの必要がありません。

何も敷かなくてもテーブルに「猫のあしあと」がつかない。

「キミは来るべくして、ウチにやってきてくれたのね~」。

選ばれし猫足急須。

日に日に愛着が増す。

何だか、名前をつけたくなってきた(笑)

(写真は)

読谷村からお嫁入りしてきた「猫足急須」ちゃん。

島袋常秀さんはドット柄やツートンカラーなど

伝統的なやちむんに現代的なテイストをセンス良く取り入れた器で人気。

特に女性の支持率は高い。

今の暮らしに自然に溶け込むセンスあるやちむん。

誰かに贈りたくなる、ウチに連れて帰りたくなる器ばかりでした。