狭き門
やはり、東大は狭き門でした。
いやいや、赤門のある駒場ではなく、沖縄は安里にあります。
暖簾の向こうからいい匂いが漂う「おでんの東大」。
本日1月25日(土)のAIR-G’「野宮的コフレ」のテーマは「愛するおでん」。
おでんの歴史から、日本全国ご当地おでん、世界のおでんまで、
この季節いちばんのごちそう冬おでんのお話をお届けしましたが、
個人的に片思いをひきずるお店が沖縄にあります。
暑いのにおでん?と思うかもしれませんが、実はおでん屋さんが多い。
沖縄おでんは知る人ぞ知る地元グルメのひとつなのです。
かつお節と昆布で丁寧にとっただしに大根や厚揚げなどとともに、
「てびち(豚足)」がごろんと入った豪快でコクのある沖縄おでん。
ぷるぷるに煮込まれた「てびち」のほろほろ加減といったら。
そっと箸を入れるだけで、ほろりと骨からお肉が離れていきます。
見た目のインパクトと違って、脂っぽさはまったくなく、豚肉の旨さだけが凝縮。
具材の美味しさが溶け込んだだし汁で
青菜をさっと煮たり、〆には沖縄そばを入れて楽しんだり。
冬の沖縄でおでん、おすすめのコースであります。
その沖縄おでんの名店として愛されているのが「おでん東大」。
ゆいレール安里駅を降りてすぐ、
昭和の香りを今に残す栄町市場の近くに店を構えて50年。
三代続くおでんの老舗であります。
いつか行きたいと思いながら、なかなかご縁がなかったのですが、、
年末の沖縄旅では意を決して、いざ東大をめざす!
昼間は地元のお客さんで賑わう昔ながらの市場は
夜になると飲み屋の明かりが灯り、雰囲気は一変。
狭い路地に不揃いのテーブルが並び、お客が肩を寄せ合って料理をつつきあう。
まるでアジアの屋台街のようなディープな魅力を放つ注目のスポット。
迷宮のような夜の栄町市場を徘徊しながら、
ご機嫌のお客さんに「おでんの東大って、どっちですか?」と聞いてみる。
「え~っと、ここまっすぐ行って、突き当り左曲がって、市場出たら、すぐよ~」
「ありがとうございます~!」
「美味しいよ~、誰でも入れる東大だからね~、あっはっはっは~!」。
楽しい。これだから、沖縄の夜遊びはやめられない(笑)。
センター試験も2次試験も必要ない、誰でも入れる「東大」めざして、
意気揚々と向かう・・・が。
「東大」と染め抜かれた年季の入った暖簾が見えない・・・。
小さな入り口にはシャッターが。
ガイドブックには8時半開店って書いてあったし、今は9時前だし。
定休日も確認、してきたのに、臨時休業か?
暗い安里の夜道で茫然自失。
東大の門は、やはり狭かった。
とぼとぼとさっきの市場へ逆戻り。
道を教えてくれたお客さんが
「あれ~?いっぱいだった~?」と声をかけてくれる。
「東大、不合格でした~」と力なく笑い返す。
「残念だったね~」
「はい~、勉強して出直してきます(笑)」。
人は人によって癒される。
後から調べなおして見ると、
開店時間が今は9時半とさらに遅くなっていたことが判明。
「ならば!」と、後日、地元の人々ともう一度再挑戦したのですが、
今度は予約のお客さんですでに満席・・・。
安里の東大は、全国最難関のハイレベルおでんでありました。
そうだよね。
東大に現役一発合格なんて、そもそも至難の業。
一浪、二浪の経験を糧に、今度こそ必ず合格してみせる。
安里にある暖簾のかかった東大で
名物の「焼きてびち」を絶対に食べるんだ。
「カンノーリ」を食べるために、シチリアへ。
おでんを食べるために沖縄へ。
旅心とは胃袋に宿るのです。
(写真は)
栄町市場の夜の魅力が花開くきっかけとなったお店
「栄町ボトルネック」前にて。
2000年から営業するシンボル的存在。
雰囲気のあるハイセンスな酒場でありながら
特製の沖縄そばも絶品らしい。
今回は窓から、いい感じのムードを覗いただけだけど、
次回は暖簾をくぐってみよう。
また旅しなくちゃ(笑)

