うずまきシネマ

衰え知らずのパンブーム、

食パン専門店やドーナッツ+クロワッサン専門店などなど

ひとつのアイテムに「特化」「専門化」したパン屋さんも目立ってきましたが、

先日のテレビではコロネパンだけを扱う専門店が紹介されていました。

クリームやチョコ、あんこはもちろん、

キーマカレーやラタトゥイユ入りのコロネパンまで。

甘いのも辛いのも美味しそうですが、

さあ、このうずまきパン、頭から食べますか?しっぽから食べますか?

どうでもいいけど、結構悩むもの。

クリームがぎっしり詰まった頭からがぶりと食べてしまうと、

しっぽの方は中身なしのパンばかりになってしまうし、

かといって、しっぽの方から食べていくと、

クリームの重量にパンが耐えきれなくて、ぽたりと垂れてしまったり。

結局、しっぽのパンを少しちぎって、頭のクリームをつけながら、

ちびちび食べ進める小市民的な妥協策で対応しています(笑)

しかし、マフィアも愛したお菓子は違った。

シチリアの伝統的なお菓子「カンノーリ」。

揚げた円筒形のパイ生地の中にリコッタクリームをたっぷり詰めて、

オレンジピールやチェリー、チョコチップなどをあしらったお菓子。

コロネパンと違って、左右対称の形をしているので、

どちらから食べてもクリームたっぷりは変わらない「カンノーリ」は

映画「ゴッド・ファーザー」でもたびたび印象的な登場をしています。

パートⅠでは幹部クレメンザが裏切り者を暗殺する場面。

事が終わった後、手下にこう指示します。

「Leave the gun Take the cannoli」

「銃は置いていけ、カンノーリは持っていく」

命を奪った銃は座席に放り出し、

カンノーリの入った白い箱を大事そうに抱えて車を後にする小太りのクレメンザ。

お菓子の箱ひとつで、

シチリア、マフィア、家族を一瞬で描く見事な演出であります。

実は暗殺の朝、そうとは知らず送り出すクレメンザの妻が

夫の背中に声をかけていました。

「カンノーリを忘れないでね!」

仕事の帰りにカンノーリを買ってきてよ、忘れないでね。

夫の仕事帰りに昔ながらのおやつを頼む、ごく日常的なシーン。

「いってらっしゃ~い、帰りに大福、忘れないでね~」と

送り出すのと何ら変わらない。

違うのは、夫はマフィアで、「仕事」とは暗殺で、そこはシチリアだということ。

家族を大切にし、妻を尊重するマフィアは、

殺しの帰りでも「カンノーリ」は忘れなかった。

そしてパートⅢでも「カンノーリ」が重要な役目を果たします。

ドンとなったマイケルの妹コニーは

彼を邪魔する老いたゴッド・ファーザー、アルトベッロを毒殺しようします。

豪華な劇場、オペラの開演前に笑顔で「カンノーリ」を勧めるコニー。

彼女の意図を知ってか知らずか、

「まず、お前が食べるといい」と返すアルトベッロ。

笑顔のまま、アルトベッロをひたと見据えながら、

毒の入っていない「カンノーリ」を口にするコニー。

「美味しい・・・」

そしてオペラの上演中、

バルコニー席で「毒味」が済んだはずの「カンノーリ」を手にするアルトベッロ。

華奢なオペラグラスでその様子を見つめるコニー。

「食べて・・・ドン、死んで・・・ドン」

どちらから食べてもクリームたっぷり、左右対称な「カンノーリ」を

ためらうことなく大きく口を開けて頬張る・・・。

「カンノーリ」。

なんと映画的なお菓子でしょうか。

今ではイタリア料理店によってはドルチェに登場したり、

日本でも気軽に食べられる「カンノーリ」ですが、私はまだ未体験スイーツ。

あまりにも強烈な第一印象が忘れられず、

「食べるなら、シチリアで」と勝手に心に決めています(笑)。

クレメンザが買ったかもしれない街中のお菓子屋さんで、

アルトベッロが生涯最後のお菓子を食べたマッシモの劇場で、

右も左もためらうことなく頬張るんだ。

パリパリの揚げパイと濃厚なリコッタクリームと

オレンジピールと血のような赤いチェリーと・・・

口の中で混然一体となった時、頭にはあのテーマソングが蘇るのだ。

「カンノーリ」を食べるために、シチリアに行く。

そんな旅もあっていい。

シネマとお菓子。

罪作りな関係です(笑)

(写真は)

色々な映画の舞台にもなっている沖縄本島北部。

地元の高校生による地域おこしスイーツ

「シークヮーサー・シフォンケーキ」

緑の酸っぱい酸っぱい柑橘類ですが、

地元では黄色く完熟したシークヮーサーに出会いました。

ほんのり甘くてびっくり。

すっぱいみかんもお年頃になると甘くなる♪