雪のオペラ座
「劇団四季のオペラ座の怪人は凄いらしい」。
事実はキャッチコピーを超えていました。
雪のオペラ座の怪人は、凄かった。
北海道四季劇場「オペラ座の怪人」はいよいよ本日23日開幕。
昨日、ひと足お先にプレビュー公演を観てきました。
午前中から降り続ける雪の中、劇場に到着。
期待にざわめく劇場に足を踏み入れる瞬間はたまらない。
ロビーから照明を落とした客席に入ると、
赤いビロードの幕、金色に輝く天使の彫刻、重厚なボックス席。
そこは、パリ、オペラ座だった。
「札幌に19世紀のパリ・オペラ座が出現しますよ」。
以前、番組でインタビューした怪人役の佐野正幸さんが
おっしゃっていた通りでした。
しかも席は前から2番目。
役者の目線、息遣いまで聞こえる至近距離です。
ということは・・・
客席にシャンデリアが落ちてくる例のシーンの時はどうなるの?
いささかの嬉しい不安を抱きつつ、オペラ座の幕が開きました。
やっぱり、ファントムは素晴らしい。大好き。
豪華絢爛な舞台装置、衣装、ドラマティックでミステリアスなストーリー、
そして、美しく切なく劇的な音楽の数々。
すべての魔力が一体となって、観客を神秘の迷宮へと誘います。
数あるミュージカルの中でも最も非日常を味わえる舞台のひとつでしょう。
雪の北海道四季劇場の地下にもひっそりと秘密の湖があるのかもしれない。
舞台がはねた後の誰もいない劇場のどこからか、
美しく哀切あふれる歌声が聴こえてくるかもしれない。
カーテンコールの拍手を送りながら
そんな美しい妄想に駆られました。
「オペラ座の怪人」を観るのはこれが3度目。
最初は新橋演舞場での四季の公演、
次にNYブロードウェイで、そして3度目は雪の札幌。
新橋演舞場は花道のある客席が19世紀のオペラ座に変身。
不思議な魅力に満ちた劇場空間でした。
楽屋は畳敷き。役者さんたちも和の雰囲気を楽しみながらの支度だったそうです。
本場ブロードウェイの舞台は
もちろんオーケストラピットからの前奏曲で開幕。
例のシャンデリアの場面では天空からそのオーケストラピットすれすれに
巨大なシャンデリアが大きな弧を描いて落下、息をのむ迫力でした。
同時に演舞場とほぼ同じ規模の広さにちょっと驚き。
ブロードウェイと日本の芝居小屋の広さはあまり変わらないのです。
芝居を楽しむ適切な空間とは、そう広さを必要としないのですね。
そういえば本物のパリ・オペラ座にも行ったこともありますが、
高い円天井にはシャガールの天井画が描かれていて、
その中心には本物の大シャンデリアが下がっていました。
大きさは2階建ての家ほどもあり、重さは6トンを超えるとか。
クリスティンに失恋した怪人が悲しみと怒りのあまり、
もし本当にこのシャンデリアの鎖を断ち切ったとしたら・・・
高い天井を見上げていると、
首の痛さと同時に、どこか背筋がすうすうするような感覚に襲われました。
そこは凄まじいほど美しい空間。
そして2013年12月の雪のオペラ座。
前から2番目の席の頭のすぐ上を、シャンデリアが通過し、
豪華な彫刻がするすると降りてきて、頭のすぐ上で怪人が歌っている。
首を直角にして見上げるとんでもない臨場感。
幕は下りた。
残るのは興奮と感動とかすかな首の痛み(笑)と。
それは、パリのオペラ座の思い出とまったく同じ感覚でした。
北海道四季劇場の「オペラ座の怪人」は、凄い。
(写真は)
今年のクリスマスコフレのひとつ。
いつもの美容室からの贈り物。
セラミックのお星さまにルームフレグランスを沁み込ませます。
前から2番目の席に座っていると・・・
黒服の怪人の濃厚なコロンさえ香るようだった。
花火の火薬とスモークの匂いと。
目と耳と鼻でも「オペラ座」を感じた。



