パパのサンタ
近頃のパパは忙しい。
サンタさんから外注されたプレゼントと、
パパとしてのプレゼントと、
時には子供たちのために二つの物件をこなさなくてはいけません。
開店早々のおもちゃ屋さんに駆け込み、入手困難物件を確保すべく、
忙しい年末のスケジュールをやりくりするパパも珍しくない。
お疲れさま。パパサンタさん。
「ねえ、パパには?パパのプレゼントは買った?」
「ええ?パパにぃ?」
「なんかあげたら喜ぶんじゃなぁい?」
クリスマスの買い物客で賑わうデパートのエスカレーター。
家族へのプレゼントを探しにいった昨日の夕方のこと。
30代くらいの娘さんとそお母さんの会話が背中越しに聞こえてきました。
二人の手にはいくつかのプレゼントらしき紙袋がありますが、
どうやらパパ、お父さんへのプレゼントはその中にないらしい。
嫁ぎ先から帰省しているのか、同居なのかわかりませんが、
娘さんはしきりにパパへのプレゼントを母親へ提案し続けます。
「お財布とかは?パパ古いの、まだ使ってんじゃない?」
「え~?知らなぁい、自分で新しいの買ってるかもよ、
知らないもの、パパのお財布なんか」。
母親はどこまでも夫へのプレゼントに関心が薄い。
「嬉しいと思うけどなぁ。お財布とかもらったら、パパ、喜ぶと思うけどなぁ」
「・・・・」。
「あの、メンズの小物売り場はこちらでございます!」
無言のお母さんの腕を引っ張って、
二人を財布売り場に案内したくなりましたが(笑)、
エスカレーターは私の目的のフロアに到着、
そのまま階下に降りていった二人が
パパへのプレゼントを買ったかどうかは確認できないまま、
妙に後ろ髪引かれながら、お買い物を続けた午後でありました。
自分のぼろぼろのお財布も気に留めずに
娘のプレゼントを必死に探し歩いてくれたパパだったのかもしれません。
彼女の心にはリボンのかかった大きな箱と一緒に
パパの古いお財布が焼きついていたのかもしれません。
「サンタさんはパパだった?」と気づいた女の子は、
いつしか「パパにもサンタさんが来てほしい」と願う娘さんに成長してました。
それはパパと娘の温かいクリスマスストーリー。
しかし、妻と夫のクリスマスストーリーは・・・あくまでクールだった(笑)。
リアルな時間を積み重ねる夫婦の日常には
ファンタジーなど入りこむ隙間はなかったりするもの。
「お財布が古くなれば、自分で買うでしょ、必要なんだから」。
それはその通りだけど、
もうすぐ、クリスマス。
パパとママにだって、クリスマスファンタジーが訪れてもいいじゃないですか。
「これが似合うかな」「こっちの方が喜ぶかな」
あれこれ迷って悩んで、
「あの、これ、包んで下さい、クリスマスプレゼント用に」。
小さなギフトボックスには綺麗なリボンをかけてもらいましょう。
箱を開けたときの笑顔を想像しただけで幸せになる。
誰でも誰かのサンタになれる。
クリスマスは大人のためにある。
笑顔をちょっと忘れた大人のために、ある。
(写真は)
忘年女子会のメイン、イカ墨のパエリャ。
白い季節に真っ黒のスペイン飯が旨い。
北ヨーロッパには「黒いサンタ」がいるらしい。
真黒い衣装を着て、悪い子を懲らしめにくるナマハゲ的存在。
ええ~っと、食べ過ぎには注意します、
忘年会続きでも、寝坊はしません、
大掃除は・・・きっと、近いうちに・・・します、
いい子でいます、誓います(笑)。



