ためらいキング
クリスマスにはパリでも福山パパが観られる。
映画「そして父になる」がフランス国内100館でも上映されるそうです。
すでに世界中で公開され、高い評価を得ている作品は
ハリウッドでのリメイクも決まっています。
で、是枝監督、リリーフランキーが福山雅治の深夜ラジオに登場、
ゆるい3人トークの様子が今朝のめざましテレビで紹介されていましたが、
リリーさん、凄い。
スピルバーグ注目の俳優だそうです。
是枝監督はリメイクの契約でスピルバーグに会ったとき、
あの世界の名監督が名指しで注目した俳優が「リリー・フランキー」。
福山雅治の頭をぽかりと叩く場面があるのですが、
「躊躇の演技が素晴らしい」と絶賛したそうです。
躊躇。ためらい。行こうかやめようか、逡巡する情けない心もち。
これを体現できる稀有な俳優であることを
天才映画人は見逃さなかたった。
優しげな頼りなさげなリリーさんが、つつつっと
イケメン福山パパに向かって自信なさげに歩み寄り、
ほんの一瞬背伸びをしながら、素早く、頭をぽかり。
そそくさと叩いたその手を身体の脇に戻す仕草。
あまりに自然過ぎて、観客は叩いたことさえ忘れてしまいそうな演技だ。
演技?演技だったのか?
それさえ忘れてしまうリリーさんの「躊躇」。
白か黒か、ゼロか100か、イエスかノーか。
常に判断を迫られる現実社会では
デキる大人はいつも「判断力」が必要で、「躊躇」は置いてけぼりをくらう。
でも大抵の人間は物事をそう簡単に決められない。
ぐずぐず、のろのろ、とろとろ、情けなく迷うものだ。
それって、そんなにダメなことですかね。
あれこれ、心の中でぐじゃぐじゃしませんかね、ふつう。
そんでもって、どうしても許せないことって、あったりするんすよね。
そして、リリーさんは躊躇いながら、ぽかりと叩く。
大声で絶叫し、泣きわめく攻撃よりも、痛烈な一撃だ。
普通の人間のカッコ悪い決断は、画にならないけど、
妙に心にひっかかって、いつまでも余韻を残す。
トム・クルーズやオーランド・ブルームや福山雅治が
ぽかりと叩いてもこうはならない。
カッコ悪いのにモテるリリーさんの秘密をスピルバーグは一瞬で嗅ぎ取っていた。
リリーさんが初めて主演した映画「ぐるりのこと」。
心の病に陥った真面目な妻を
何事にも決められない、約束を守らないダメンズな法廷画家の夫が
のらりくらりと支える、そんな夫婦の10年を描いていました。
99%ダメな男なんだけど、残りの1%は絶対的に正しくて、
その1%こそが致命的に大事なことだったりする。
そんな男を演じたらリリーさんの右に出る者はいない。
ひょろりと筋肉のない色白なで肩にぽっこり出たお腹をさらしても
妙にセクシーに見えてくる不思議な俳優、リリー・フランキー。
おでんの匂いがするセクシーな男。
スピルバーグ作品の主役をはる日がいつか来るかもしれない。
本職は、イラストレーターだけど。
(写真は)
UHBのメイク室で発見、
「ふなっしー飴」。
梨汁ぶしゃー、なフルーツフレーバー。
ゆるいビジュアルとキレッキレのアドリブのコントラスト。
スピルバーグのふなっしー評価をぜひとも伺いたい。



