鳶色のおやつ

とうとう初雪です。

天気予報通り、札幌は昨日8日午後に初雪を観測。

うっすら粉砂糖をかぶったような時計台の映像などが

全国ニュースにも流されました。

昨夜、我が家も、とうとう暖房を入れました。

今季初暖房。

晩秋から初冬へ。

おなかも心も豊かになる幸せなごはんが嬉しい季節。

今朝9日(土)のAIR-G’「野宮的コフレ」のテーマは「幸せな食事」でした。

世界の料理界の次世代スター「ペルー料理」や

心ほっこりする「ライスカレーとカレーライス」

そして夏目漱石と正岡子規、

二人の甘党の文豪、その甘い親交のお話をしました。

「子規のココア・漱石のカステラ」という本があるように、

本当に甘いものが大好きだった漱石と子規。

大学予備校時代からの友情のきっかけは、案外甘いお菓子だったり。

「あんパン食うか?」「おお、ありがとう」なんて。

文学史にもない勝手な妄想が膨らみます。

子規の体調を心配した漱石は松山中学の教師時代、

子規を呼び寄せ、自分の下宿に間借りさせていたといいます。

牛乳入りのココアに菓子パン10個を平らげたという子規。

30歳を過ぎたあたりから病が進行し、ほぼ床を離れられなくなります。

生活のすべてが布団の上。

布団から見える小さな庭が子規の世界のすべて。

そんな環境から生み出された俳句は

小さな宇宙船の窓から見える無限大の宇宙のような世界観に溢れています。

伏して尚、燃える。

伏して尚、食らう。

もっともっと詠みたい。

もっともっと食べたい。

子規のココアと菓子パンは、その旺盛な食欲は、

夭折の俳人の生きる叫び、生きた証であったのかもしれません。

「虞美人草」には「チョコレートを塗った卵糖(カステラ)」、

「こころ」には「チョコレーを塗った鳶色のカステラ」と書いた漱石。

子規の親友もまた、無類の甘いもの好き。

文豪の脳細胞と感覚細胞が糖分を欲していたのでしょうか。

「鳶色」とは日本の伝統色のひとつで

猛禽類トビの羽の色のような暗い茶褐色のこと。

そう、チョコレートブラウンのような。

若き日の漱石や子規が散歩した古い街。

ひっそり看板を出す小さな洋菓子店、顔が映るほどに磨かれたガラスケースには

小さなお菓子がお行儀良く並んでいる。

それぞれの名前が丁寧な文字で書かれた小さなカードのひとつ、

「鳶色のチョコレーカステラ」とある・・・・

なんて、そんなお店に出会えそうな妄想がまた膨らんできた。

四国、松山。美味しいお菓子がたくさんある街。

またいつか旅したい街のひとつだなもし。

(写真は)

鳶色の「トナカイまんじゅう」。

ご近所のお菓子屋さんで発見。

季節限定のこぶりな鳶色スイーツ。

3個は、イケる。

子規なら、10個かな。